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ポイント解説 政府の経済対策
災害からの復旧・復興
河川の堤防強化を加速
来年の台風被害に備え 排水設備なども整備
政府が5日に公表した事業規模26兆円の「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」には、公明党が11月28日に政府へ申し入れた内容が随所に盛り込まれた。そのポイントを随時、紹介していく。
気候変動に伴い自然災害が激甚化し、国民の生命や財産、企業の経済活動に多大な損失が生じている。とりわけ台風19号では、河川の堤防決壊や氾濫が広範囲で発生。災害救助法を適用された自治体数は、東日本大震災を超え、14都県390市区町村に上った。
こうした現状を踏まえ、政府は経済対策の柱に「災害からの復旧・復興と安全・安心の確保」を掲げた。11月に取りまとめた「対策パッケージ」で既に使用を決めている今年度予算の予備費に加え、新たに編成する補正予算で切れ目ない対策を実施する。子どもの心のケアや高齢者の見守り、被災事業者の復旧を後押しする「グループ補助金」などを継続する。
一方で、2020年度が最終年度となる「防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策」の着実な実行を明記。被災前よりも防災力を向上させる「改良復旧」を促す財政措置を充実する。同時に、一連の台風被害で浮き彫りになった水害対策上の課題を中心に、来年の台風シーズンに備え、補正予算を通じて防災対策の抜本強化に取り組む。
具体的には、▽氾濫発生の危険性が高い河川の川底掘削、堤防の強化▽排水処理できない雨水が側溝などからあふれて街が浸水する「内水氾濫」による被害防止へ、雨水の貯留、排水設備を整備▽ハザードマップ(災害予測地図)が未作成の河川における水害リスク情報の提供▽災害拠点病院への非常用自家発電の配備――などを進める。