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2019年12月10日

【主張】改正会社法 社外取締役の人材確保が課題

政府が訴えている「『攻め』のコーポレートガバナンス(企業統治)」の拡大に期待したい。

先週成立した改正会社法は、1人以上の社外取締役を置くことを大企業に義務付けた。これにより、企業経営の透明化、効率化を進め、競争力向上につなげることが「攻め」の企業統治になる。

社外取締役の“厳しい目”で不正を阻止し、“広い視野”からの経営改善のための助言も期待できる。特に、競争力の基礎である企業の信用を失墜させる不正を見抜く力は重要だ。早期に発見できないと死活問題にもなる。

しかし、社外から良識と知見のある人材を迎えることはそう簡単なことではない。社長、会長の経験者や有識者などが多く登用されるが、今でも人材難といわれている。

不正会計の問題を起こした東芝は早くから社外取締役を導入してきたが、不正を防げなかった。大企業の業務を把握し課題を指摘するには相当な知見が必要だが、実際には一人で3、4社の社外取締役を掛け持ちする例もある。

社外取締役の義務化を実効性ある改革にするには、人材育成が重要との識者の指摘もある。2021年施行に向け、企業倫理研修プログラムなどを、経済界と政府で検討することも必要ではないか。

近年、オリンパスの巨額損失隠しや、東芝の不正会計が問題になった。最近のゴーン被告の報酬に絡む日産の事件では、同社の特別委員会が「取締役会における議論が独立性を有する社外取締役によって牽引される環境を創出することが不可欠であると判断した」との報告書を3月に出した。社外取締役の義務化は待ったなしだった。

政府は、14年に会社法を改正し、上場企業が社外取締役を置かない場合は、株主総会でその理由を説明する義務を課した。さらに、15年には金融庁と東京証券取引所が上場企業の行動規範「コーポレートガバナンス・コード」をまとめたこともあり、既に、東証上場企業の98%が社外取締役を置いている。

今回の改正会社法は、非上場の大企業に対しても社外取締役の設置を義務付けた。企業統治にとって大きな前進になろう。

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