ニュース
交通量調査のデジタル化
AIで道路状況を解析
横浜市
横浜市は今月から、交通状況を把握して道路整備効果を確認する「交通量調査」のデジタル化を進めている。従来の手動式カウンターに代わり、人工知能(AI)による映像解析を活用することで、慢性的な人手不足や煩雑な集計作業などの課題解消につなげる。
■人手不足解消、費用削減に効果
車両の走行軌跡データで、はみ出し防止策にも応用
交通量調査は5年に1度、全国で実施される“国勢調査の道路版”。将来的な道路計画の策定に関する基礎データとして、渋滞緩和策や持続可能な道路網の維持管理に活用される。
横浜市はこれまで、2年に1回のペースで独自調査を実施。対象の交差点に配置する調査員が手動でカウントする手法は、多大な人手と時間を要していた。前回(2023年度)の調査では、65カ所で延べ362人が作業に当たったものの、委託業者の人手不足は深刻で、入札不調になったケースもあった。
そこで市は、民間のデジタル技術を使って行政課題を解決する「YOKOHAMA Hack!」の制度を利用し、情報通信技術(ICT)の製品開発を手掛ける事業者に協力を要請。①カメラ映像のAI解析技術②レーザー光を照射して対物距離を測る「LiDAR」技術③ドライブレコーダーのGPS走行データを活用――の三つのデジタル技術を駆使し、昨年7月から実証実験をスタートした。
結果、実用性が高いと評価された「カメラ映像のAI解析」の精度は90%以上に上り、人手による調査と同等の性能であることを確認。費用も3割削減でき、車両の走行軌跡データから、はみ出し防止措置など安全対策にも応用できることから同技術を採用した。
■公明、独自調査し議会で提案、実現
ICTを用いた今年度の調査は、今月中旬の3日間にわたり、市内の幹線道路82カ所のうち28交差点で実施された。このうち、市神奈川区子安通1丁目の入江橋交差点の調査には、公明党市議団(斉藤伸一団長)も同行した。
市道路局企画課の金子真嗣課長は、AI解析について「人手では観測できなかった危険要因の分析や歩行者の人流把握にもつなげられる」と効果を期待。斉藤団長は「未設置箇所への整備を進め、交通安全策の強化に取り組む」と語った。
市の交通量調査のICT化を巡っては、中島光徳議員が民間協力を得て、19年8月にAI解析による動態調査を独自に実施。その検証結果を踏まえ、20年3月議会でICTの導入を提案したのを皮切りに、党市議団が一貫して推進してきた。今年2月議会では、山中竹春市長から「ICT化を迅速に進める」との答弁を引き出していた。











