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薬物犯罪から若者守る対策強化したい
麗澤大学教授 川上和久
近年、「エトミデート」という麻酔や鎮静に用いられる薬物の乱用が広がりつつある。成分を含んだリキッド(液体)を電子たばこで吸引することが多く、乱用すると、幻覚のような症状が現れたり、手足がけいれんしたりする様子などから「ゾンビたばこ」とも称されている。
厚生労働省は今年5月16日、エトミデートを医薬品医療機器等法に基づく指定薬物に規制。医療等の用途以外の製造、輸入、販売、所持、使用などが禁止されているが、沖縄県を中心に摘発が相次いでいる。
同県内では7月に初摘発され、9月末までにエトミデートの所持で10人が逮捕、書類送検された。ほとんどが10代、20代の若者で高校生もいた。秘匿性の高い通信アプリには広告も出ているといい、「合成大麻」と称し、SNSを介して広がっているようだ。
今年5~6月には、沖縄本島の空き家に忍び込んだ複数人の中高生らが1億円超の現金を発見し、その一部を複数回にわたって持ち出し、エトミデートなどの薬物の入手費用にも使った疑いで、警察が事情を聴取している。
また、今月13日には、エトミデートを販売目的で持っていたなどとして、沖縄県警が福岡市の無職の男を医薬品医療機器法違反(販売目的貯蔵)などの疑いで逮捕。男は、県内を拠点に活動する「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」で違法薬物密売組織「69(シックスナイン)」のトップだという。
合成大麻は、軽い気持ちで手を出している若者も多いが、社会の目が届かないところで、犯罪集団の餌食になってしまう。
薬物犯罪のうち、大麻取締法違反では10代から30代の若年層による検挙が増加傾向にあり、大麻が若年層に広がっていることを示している。実際、警視庁が2024年中に検挙した大麻取締法違反の約半数が、29歳以下だった。
薬物乱用防止の啓発も継続的に行われてはいるが、次々に現れる新手の薬物に若者が安易に手を出さないための、教育現場も協力しての取り組み、SNSを活用した広報、地域社会の見守りなどを強化し、薬物から若者を守っていきたい。









