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2019年12月4日

【主張】高齢出所者 再犯防止へ漏れなく福祉の手を

刑務所を出た人が再び罪を犯さないよう、立ち直りを支える取り組みが重要だ。

法務省は先週、2019年版の「再犯防止推進白書」を公表した。

これによると、17年に刑務所を出所後、2年以内に再び罪を犯して入所した「再入率」は16.9%で、前年より0.4ポイント減少した。罪名別では、窃盗が22.9%で最も高く、覚せい剤取締法違反が17.3%、傷害・暴行が15.4%と続いている。

再入率について政府は、21年までに16%以下にするとの目標を掲げており、その達成が見えてきたと言えよう。

政府は再犯防止を犯罪対策の大きな柱に据えている。16年12月には、必要な施策の実施を国と自治体の責務とする再犯防止推進法を施行。17年12月には出所者への就労や住宅確保の支援など115の施策を盛り込んだ推進計画を決めた。こうした取り組みが再入率の低下に結び付いていることは評価できる。

ここで見逃してならないのは、高齢者ほど再入率が高いことである。白書によると、65歳以上の再入率は22.3%に上り、全体の平均より5.4ポイントも上回っている。

犯罪を繰り返す高齢者が多いのはなぜか。

主に指摘されるのが「出所しても仕事が見つからず生計が成り立たない」「頼れる家族がいない」といった理由である。仕事や住まいの確保が思うように進まない中で、窃盗などを犯し、刑務所に戻ってしまうのだ。加えて、認知症が原因で犯罪を重ねるケースも増えている。

高齢者の再犯を防ぐには、出所者が抱えるこうした課題にしっかりと向き合わねばならない。

この点、厚生労働省が来年度から支援策を強化することに注目したい。その柱となるのが、刑務所出所者らを福祉につなぐ各都道府県の「地域生活定着支援センター」と、各地の福祉施設や保護観察所などによる連携協議会の設置だ。出所者が福祉の網の目からこぼれ落ちるのを防ぐには、関係機関が連携を強めることが欠かせない。

刑期を終えて再起を期す高齢者が、生きづらさに負けることがないよう寄り添い続ける必要がある。

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