公明党トップ / ニュース / p463078

ニュース

2025年11月12日

“ニュースの焦点を聞く” 多党化する日本政治

既成政党の議席が減少、ポピュリズムの台頭も
同志社大学 吉田徹教授

昨年の衆院選や今夏の参院選を経て、日本政治は「多党化の時代」に入った。多党化の歴史が長い欧州政治に詳しい同志社大学の吉田徹教授に、日本政治の潮流の変化と行方について聞いた。

■強まる右傾化、公明が中道の軸に

――先の参院選で、既成政党が軒並み議席を減らした。欧州各国ではどうか。

吉田徹・同志社大学教授 欧州のドイツやフランスでも、既成政党の得票率が大きく落ち込んでいる。背景に極左や極右ポピュリズム勢力の台頭があるわけだが、そうした勢力を政権入りさせないためには、「保革」の壁を越えて連立を組まざるを得ない。そうすると今度は「エリートは問題を無視している」と見られ、ポピュリズムの勢いを加速させかねない状況になっている。

もう一つの動きとしては、既成政党側が極右政党を取り込む形で、ポピュリズムの台頭を抑えようとしたデンマークやオランダの例だ。しかし「争点オーナーシップ」(争点に対する当事者意識)ともいうように、先に争点化し、より強硬な姿勢に出た方が説得力を持つ。結果的に、政党全体が右傾化していくという状況に陥っている。

――日本も似たような傾向があるか。

吉田 ある。先の参院選では、外国人問題などの争点設定を参政党などが先に行い、既成政党も対処せざるを得なくなった。そうした意味で、少なくとも外国人問題に関しては、右側にドライブがかかり始めている。日本政治は分極化が進み、その結果、多党化が進んでいる。この状況は選挙区に比例代表制が残る限り、今後も続くだろう。

――国内政治では、公明党が自民党との連立政権に区切りを付けた。

吉田 公明党は、新進党の時代には非自民ブロックの重要プレーヤーだったが、その後、自民党と長らく政権を組んできた唯一無二のポジションにある。公明党の政権離脱で、自民は右寄りにドライブをかけやすくなっている。その対立軸として公明党は、中道から中道左派にかけてのブロックを作ることを戦略として考えていいのではないか。公明党が非自民の政党の結節点となり一つのブロックを作って競争していくことが、日本政治にとって中期的に望ましいと考える。

■衆院議員定数削減
与党だけで決めていい問題ではない

――今国会では、自民、日本維新の会が合意した「衆院議員定数の1割削減」への対応が焦点になるが。

吉田 いくつかの問題を抱えている。一つは、実現の困難さだ。そもそも統治機構に関わる事柄であり、自民、維新だけで決めていい問題ではない。与野党で協議すべきだが、コンセンサスを得るのは非常に難しいだろう。

もう一つは、さらに削減すれば、幅のある政策の実現や政治家の新陳代謝がしにくくなる。中長期的に見て、日本の議会制民主主義を弱くする意味で問題だ。さらに、比例定数の大幅な削減は、都市部との格差がある地方の利益がますます鑑みられなくなることにもなりかねない。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア