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【主張】精神障がいの労災最多 早期発見とフォロー体制強化を
仕事上のストレスが原因で心を病む人が後を絶たない。安心して働ける職場環境へ対策を強化すべきだ。
政府は10月28日、過労死・過労自殺の現状や国の防止対策をまとめた2025年版「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。
白書の中で特に注目したいのは、24年度に仕事が原因でうつ病などの精神障がいとなり労災申請した人は3780人、認定されたのは1055人で、いずれも過去最多となったことだ。
認定数の1000件超えは初めてで、申請件数も10年度に比べて3倍以上に拡大している。深刻かつ見過ごせない事態だ。
精神障がいに至る理由では、上司などからのパワハラやセクハラが上位だった。業種別では「医療、福祉」が最多で、「製造業」「卸売り・小売り」が続く。
14年に過労死等防止対策推進法、19年には時間外労働の上限規制を強化する改正労働基準法が施行され、法律に基づく対策は進んでいるものの、労災が増えている現状は重く、実効性ある対策が急がれる。
まずはメンタルヘルス対策の着実な実施が必要だ。厚生労働省によると、対策を行う事業所の割合は約6割にとどまる。早期発見に不可欠なストレスチェックは労働者50人以上の事業所で義務化されており、政府は全事業所で実施できるよう対応を強化してほしい。
フォロー体制の充実も重要で、発見後の対処や復職までの支援など多岐にわたる。一方、ストレスの要因特定や評価の難しさ、相談に当たる人材不足といった課題がある。特に中小企業で対策が進むよう、きめ細かな支援が求められる。
公明党は人工知能(AI)で自分の心の状態をチェックできるサイトの活用や、メンタルヘルスの定量的な評価に関する研究促進を訴えており、実現させたい。
一方、労災認定については、申請件数に対する認定件数が実態を反映していないとの指摘もある。基準の明確化や個々の状況に合わせた丁寧な制度の運用と共に、精神医療の進歩に即した制度の見直しが必要だ。









