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2019年12月2日

【主張】冷戦終結30年 新しい発想で核軍縮を進めよ

第2次大戦後、米国を中心とした資本主義陣営と、ソ連を中心とした社会主義陣営の二つに世界が分断された。米ソ両国による核戦争が、いつ勃発してもおかしくない東西冷戦の時代の到来だった。

この脅威の時代に終わりが告げられたのは、30年前の1989年12月3日。当時のブッシュ米大統領とソ連のゴルバチョフ書記長が地中海の国マルタで冷戦の終結を宣言し、誰もが世界は平和になると信じた。

しかし、今なお、核の脅威は残り続けているばかりか、新兵器も次々と開発されている。世界に平和をもたらすには、今までとはまったく異なる新しい発想が求められていることを強調したい。

冷戦終結を契機に、米国とロシアが保有している核兵器は、確かに削減された。しかし、減ったのは5500キロ以上の長距離の射程を誇る戦略核兵器である。短・中距離の射程のものも含めた核軍縮を早急に進めていくべきだ。

例えば、中国が既に実戦配備したという「極超音速滑空弾頭」と呼ばれる新兵器の射程は最大で2500キロほどで、マッハ5を超える速さで複雑に向きを変えながら飛び、標的を破壊する。ロシアも同様の新兵器を配備したとみられ、米国も開発を進めている。核の搭載も懸念されるこの新兵器は、日本などが配備するミサイル防衛システムでは迎撃できない。

冷戦終結の象徴とされた米ロの核軍縮条約である中距離核戦力(INF)全廃条約が破棄された今、極超音速滑空弾頭のような兵器開発に拍車が掛かることが予測される。そうした状況を見据えた核軍縮をどう進めていけばよいのか真剣に考える必要がある。

核軍縮はこれまで、米ロ間で進められてきた。しかし、これからは中国抜きの核軍縮交渉は意味がない。

トランプ米大統領が「中国に関する一流の権威」と評価した米国の政治学者、マイケル・ピルズベリー氏は、2049年に米中が逆転し、中国が世界一の超大国になると予見した。これを米国が警戒し、軍拡競争が激化すれば、核軍縮は後退するだけになる。中国との関係改善が進む日本の働き掛けも一層重要になると肝に銘じたい。

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