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栄養表示をより分かりやすく
消費者庁検討会が事業者向け指針案
健康的な食生活を後押ししようと、消費者庁は加工食品の容器包装に1食分当たりの主要な栄養成分を分かりやすく示す事業者ら向けのガイドライン(指針)づくりを進めている。有識者でつくる同庁検討会が7月末に指針案をまとめ、10月21日まで意見公募が実施された。これを基に最終案として詰め、今年度内にも公表する予定だ。
■多くが目立たない箇所に
スーパーなどで販売される菓子や乳製品など、容器包装に入れられた加工食品は、食品表示法に基づき、栄養成分表示としてエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5項目の記載が原則義務付けられている。
消費者が食事で摂取するエネルギーや栄養素の過不足を把握し、生活習慣病の予防などに役立ててもらうのが目的だ。商品によっては補給できる栄養成分の特徴を知らせるため、糖質や食物繊維など他の栄養成分を任意で表示している場合もある。
一方、消費者庁が2022年度に実施した調査によれば、食品に栄養成分表示が記載されていることを知っている人は約7割にとどまり、そのうち、普段の食生活で栄養成分を参考にしていない人は約4割に上った。
栄養成分表示は、流通大手など一部の事業者が自主的に前面に記載する取り組みを行っているものの、パッケージの裏面など目立たない場所に記載されているケースが多い。確認には手に取って見る必要があり、視認性の高い表示が求められている。
■容器包装の前面記載を推奨
健康の維持・増進に活用へ
検討会がまとめた指針案は、容器包装の前面など「消費者が見つけやすい箇所に表示する」と明記した。
対象となる栄養成分は、表示が義務付けられているエネルギーやたんぱく質など5項目で、食品1食分当たりの各量と、1日の摂取目安量に占める割合を併記する【図参照】。
表示様式については、今年6月の消費者1万人へのアンケートで6種類を提示し、最も支持を得たデザインを採用した。過剰摂取が国民的課題となっている食塩相当量は二重線の枠で囲み、より強調している。
実際の記載に当たっては、視覚的に目立たせるため、背景と対照的な色で単色で表示するよう求める。
指針案は、法的に義務付けられた「食品表示基準」には位置付けず、食品関連事業者の任意の取り組みとして推奨する。
消費者庁の担当者は「消費者に栄養成分表示のさらなる利活用を促し、健康の維持・増進につなげたい」と話す。
■WHOなど先行的取り組み
容器包装の前面に栄養の情報を示す仕組みは、栄養表示の見にくさや分かりづらさを補足する取り組みとして、海外で導入が進んでいる。
「FOPNL(Front of Pack Nutrition Labelling)」と呼ばれ、「包装前面栄養表示」と訳される。健康的な商品を消費者がより選びやすくするため、世界保健機関(WHO)が19年に、食品の国際基準を定める「コーデックス委員会」が21年に、それぞれ指針を策定した。
英国やイタリアでは、エネルギー量、脂質、糖類などの栄養成分について、食品の単位量当たりに含まれる量などを表示するよう推奨。スウェーデンやシンガポールは栄養成分が一定の基準値を満たす場合に、健康的な食品であることを示すマークを表示できるようにしている。
こうした中、23年に厚生労働省が発表した国の健康づくりの指針「健康日本21(第3次)」で、適切な栄養・食生活を支える環境の改善が明示されたのを一つの契機に、消費者庁はFOPNLに関する検討会を24年度に設置し、栄養表示のあり方について議論を進めてきた。
■公明も後押し
公明党は、健康寿命の延伸に向けて適切な栄養摂取など食生活環境の改善を後押し。24年8月と今年8月に国に申し入れた提言で「健康日本21」の取り組みを積極的に推進するよう求めていた。










