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【主張】ガザでの民間人殺害 イスラエルに自制求め続けるべき
パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム抵抗運動組織ハマスとイスラエル軍との停戦合意が先月10日に発効してから、間もなく1カ月になる。
この合意は、米国とエジプト、カタールの3カ国が、ハマスに影響力を持つトルコとも連携しながら仲介し、実現にこぎ着けたもので、イスラエル軍による激しい攻撃で荒廃したガザ地区の復興への道を切り開くことにつながるのではないかと期待できる。
だが、合意発効以降もイスラエル軍の攻撃により、ガザ地区で生活する民間人が殺害され続けていることを看過してはならない。
西側が地中海に面しているガザ地区では、合意の発効を受け、北部と東部と南部にイエローラインという軍事境界線が、地中海に面した地域を囲うように設けられており、イスラエル軍が占領する地域と、そうではない地中海側の地域とに二分されている。
イスラエル軍が占領する地域はガザ地区全体の半分以上を占め、イエローライン上に拠点を構えて駐留しているが、避難していた住民が自分の住まいに帰ろうとして同ラインに近づくと銃撃して殺害したり、占領地域側にある家屋などを爆破したりしている。
駐日パレスチナ常駐総代表部によると、合意発効以降、イスラエル軍の攻撃で殺害されたガザ地区のパレスチナ人住民は100人を超えるという。
さらに、先月28~29日にかけて、合意が発効してから最大規模となる空爆をイスラエル軍が実施した。ハマスの攻撃で同軍の兵士1人が殺害されたことへの報復だとしているが、この空爆でガザ地区の住民104人が死亡し、そのうちの46人が子どもであったという。負傷者は少なくとも253人に上るとされる。
このような民間人に過剰な被害をもたらす攻撃を許してはならないし、国際法上も認められていない。イスラエルには自制を強く求め、パレスチナの民間人の保護に最大限努めるよう日本など各国は訴え続ける必要があると強調したい。









