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2019年11月30日

首里城火災から1カ月 再建への課題浮き彫り

資材、技術者確保に懸念

長引く公園の立ち入り規制 客足減り、地元経済へ打撃

火災発生後、地元住民らの声を聞く斉藤鉄夫幹事長ら=2日 那覇

10月31日に発生した那覇市の首里城火災から1カ月。沖縄県内では再建への機運が高まる一方、年間280万人が訪れている首里城公園の客足が伸び悩み、影響が広がっている。観光支援の必要性や、再建に向けた課題が浮き彫りになっている。

「観光客が減っている。一番の書き入れ時なのに……」。首里城公園内の売店店主は力のない声で語った。店主が所属する「かりゆし観光事業協同組合」によると、11月に修学旅行生を乗せた1120台のバスが訪問予定だったが、実際は数十台にとどまっている。

飲食店を営む女性店主は、昨年11月の仕入れ額が約230万円だったのに対し、今月は約30万円という。女性は「観光客が来ても滞在時間は短く、店に立ち寄らない。このまま従業員の雇用を継続できるか」と不安を口にした。

毎年、10~12月に修学旅行生や多くの観光客が首里城公園に足を運んでいる。しかし、今回の火災で、訪問先を那覇市内の周辺施設へ変更するケースが相次ぐ。消防などの検証作業で敷地内の規制が続くことも客足に影響を与えている。

  

10月31日未明から11時間続いた火災は、正殿や北殿をはじめ主要な9施設に広がった。焼失面積は約4800平方メートルで、収蔵していた美術工芸品など約1500点のうち401点を失った。市消防局によると、延べ480人余りが検証作業に当たるが、原因の究明には至っていない。

焼失前の復元事業(1986~2018年度)の総額費用は約260億円。正殿などの建物のみで約73億円を費やした。建材で使用していたチャーギ(イヌマキ)などの調達は当時も困難を極めた。県内の赤瓦職人は、正殿に使用していた瓦は独特の技法で、再現が難しいと指摘。再建に向けた資材や宮大工など技術者の確保に懸念が高まる。

そうした中、国内外からの支援が広がっている。市が当初1億円を目標としたインターネットを通じて寄付を募るクラウドファンディングの総額は6億円を突破。県に対しても再建への願いを込めた寄付金が続々と集まっている。

■公明、現地で奮闘

公明党は火災発生直後から現場へ急行。地元住民や関係者らの声を基に、8日に首相官邸へ再建に関する財源確保や観光支援などを要請した。翌9日には赤羽一嘉国土交通相(公明党)が実態を調査するなど、国と県の連携による早期再建をめざし、奮闘している。

“沖縄の魂”込めた計画必要 県立博物館・美術館 田名真之館長

首里城火災のニュースは全国、世界に広がり、大きな衝撃と喪失感を与えた。失うことで、その存在の意味を考えさせられる。

首里城は約450年続いた琉球王国の政治、外交の中心だった。現在の沖縄にも息づく踊りや衣装、料理や泡盛の多くは首里城から生み出された文化だ。そうした観点からも沖縄県民の心のよりどころと言える。

約30年間の復元事業は先人の大きな財産である。早くから復元を求めてきた県民の魂が込められていた。この蓄積と復元後に判明した資料を踏まえ、今回の再建へ生かすべきだろう。

貴重な収蔵品の管理を神社にある宝物館のような施設で管理することも火災の教訓だ。観光事業者にも目を向け、総合的な課題を網羅し、新たな首里城を築いていきたい。国と県の緊密な連携が不可欠で、その道筋を政治が示してほしい。

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