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【主張】子どもとSNS 犯罪者とつながる怖さ徹底を
LINEやツイッターなどのSNSを通じて、子どもたちが犯罪に巻き込まれる危険性が高いことを改めて痛感させられた。
行方不明になっていた大阪市の小学6年生の女子児童が栃木県小山市で無事保護され、同市に住む男が未成年者誘拐の容疑で大阪府警に逮捕された。
男が大阪市内の公園に女児を誘い出し、栃木の自宅まで連れ去ったというのが事件の概要だが、男が女児との連絡手段としてツイッターを使っていたことがマスコミで大きく取り上げられている。
SNSを通じて児童買春や誘拐などの犯罪被害に遭った18歳未満の子どもは、一昨年に1813人と過去最高となり、昨年も1811人に上った。このうち最も多くの被害者が使っていたSNSがツイッターなのだから、関心が集まるのは当然と言えよう。
今回の事件で目を向けたいのは、「知らない人に付いていってはいけない」という当たり前のことができなかった理由である。
報道によると女児は、男のことを「SNSで知り合った人」と話しているという。この女児に限らず多くの子どもは、SNSでつながった相手と面識はなくても、「知らない人」ではなく「知り合い」と認識し、警戒心を緩めてしまうのではないか。
まして、相手が犯罪者であるかもしれないという想像力は大人より乏しい。言葉巧みに誘い出され犯罪に巻き込まれる恐れが大きいことは、今回の事件を見るまでもない。
SNSを通じた犯罪から子どもたちをどう守るか。
警察庁はホームページなどで、▽利用するサイトやアプリは保護者が確認▽知らない人とメッセージを交換しない▽困ったことがあれば必ず保護者に相談――といったルールを、各家庭で子どもと一緒に作るよう呼び掛けている。
スマートフォンや携帯電話から出会い系サイトなどへのアクセスを遮断するフィルタリング機能も活用したい。警察庁によると、被害に遭った子どもの9割がこれを使っていなかった。
何より、SNSには犯罪者とつながる怖さがあることを、機会あるごとに子どもに諭す必要がある。