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2025年10月3日

「佐渡島の金山」継承へ

世界文化遺産登録1周年 
高校生と大学生が探究活動 
新潟県

「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録1周年を迎えた新潟県佐渡市で、このほど同遺産の保存・継承に向けた課題解決を考える「来タレ、さど推し!『佐渡島の金山』探究プロジェクト」が開かれた。県内外の高校生と大学生を対象とした現地ツアーと提言発表会の様子を追った。

史跡佐渡金山のシンボル「道遊の割戸」

■現地ツアーで観光地の歴史を体感、提言発表会で課題解決を自分事に

探究プロジェクトは、新潟県や佐渡市、地域の観光関係者などで構成される「『佐渡島の金山』保存活用実行委員会」が企画運営。今回初めて実施され、県内外の高校生と大学生26人が参加した。

学生たちは新潟港(新潟市)から約2時間半、フェリーに揺られて両津港(佐渡市)へ降り立った。2日間の現地ツアーがスタートだ。

きらりうむ佐渡の展示室を見学する学生たち=8月19日

まず、島の西部に位置し、観光案内所と文化交流施設が融合した拠点「きらりうむ佐渡」の展示室を見学した。大きなスクリーンを前に、金銀生産技術の世界に関する迫力満点の映像に見入ったり、市担当者の説明に耳を傾け、真剣な表情でメモを走らせたりする学生たち。近世から現代につながる佐渡金銀山の概要や歴史に触れた。

その後、バスで約4キロ、島を北上し、「佐渡島の金山」を構成する鉱山の一つ「史跡佐渡金山」へ。ガイドに連なり、明治以降の機械掘坑道で国重要文化財・国史跡「道遊坑」コース(全長1.7キロ)と、江戸時代の採掘坑道で国史跡「宗太夫坑」コース(全長400メートル)を巡り、シンボル「道遊の割戸」で記念写真に納まった。

翌日は、「佐渡西三川ゴールドパーク」の砂金採りなどを体験した後、6グループに分かれ、2日間のフィールドワークでの学びを共有し合い、約2週間後に設定された提言発表会の土台づくりに励んだ。

提言発表会の様子=9月6日

迎えた提言発表会。参加者は新潟市内の会場に集まり、グループそれぞれが集大成のスライドを披露した。公共交通網の整備、観光客のリピーター率の低迷、ガイド不足……。山積する課題に対し、学生たちは「AI(人工知能)が自分好みのサイクリングコースを示すアプリ導入」「観光地の周遊と、ものづくり体験を組み合わせたバスツアー実施」「教育旅行を通じた関係人口の創出」など率直に課題解決に向けたアイデアを提案した。講評した県担当者は「少し手を加えれば実現できそうな内容もあった。今後も『佐渡島の金山』を未来に伝承するため力を貸してほしい」と呼びかけた。

全行程を終え、高橋沙和さん(山形大学3年生)は「魅力発信が大切だと感じた。友人を連れて旅行したい」と語れば、本間叶愛さん(新潟青陵高校3年生)は「佐渡の地域活性化に貢献できるよう起業してみたい」と意欲をのぞかせた。

公明党の市村浩二、安沢峰子両県議と山田伸之市議は議会質問などを通じて、「佐渡島の金山」の保存・継承・活用における県市の連携体制強化を求めてきた。提言発表会に同席した市村県議は「学生が佐渡の活性化や課題解決を自分事と捉え、意見し合う姿が心強かった。得られた気づきを政策立案に生かしていきたい」と力を込めた。

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