公明党トップ / ニュース / p450136

ニュース

2025年9月25日

【主張】ペット防災 同行避難の定着へ環境整備急げ

イヌやネコなどペットは飼う人にとって家族の一員だ。自然災害が頻発する中、災害時も安心して一緒に避難できる環境を整えたい。

環境省は今月、災害時のペットとの避難行動を定めたガイドライン(指針)を見直す方針を示した。見直しは2018年以来約8年ぶりで、来月にも関係団体や有識者による検討会を開いて議論し、今年度末をめどに改定する方針という。

災害とペットの問題が注目されたのは11年の東日本大震災だ。ペットを連れていこうと自宅に戻り津波に巻き込まれた人や、混乱の中で飼い主とはぐれたペットが続出し、多くが犠牲になった。大切な家族を失うつらさを思うと胸が痛む。

こうした教訓を踏まえ、環境省は13年に指針を策定してペットと一緒に逃げる「同行避難」の原則を初めて明記した。政府の防災基本計画でも同行避難した人やペットを適切に受け入れるよう求めている。今回の改定で取り組みを一段と強化してほしい。

ただ、同行避難の定着には課題もある。ふん尿や臭い、毛の飛散といった衛生上の問題や鳴き声が避難所での生活を阻害する恐れがつきまとう。避難者の中には動物アレルギーを持つ人や苦手な人もおり、こうした人への配慮は重要だ。

昨年の能登半島地震など近年の災害では、避難所でペットの受け入れを拒否される事例が相次ぎ、飼い主が避難をためらうといった問題が深刻化した。避難所でペットを受け入れる際に誰もが安心できる手だてを示すことが求められる。

鍵を握るのは、避難所の運営方法だ。人とペットの居住空間を分ける手法の確立や運営人員確保への準備などが急務だ。自治体によっては関係団体がペットを一時的に預かるケースも見られ、地域の協力体制の構築を進める必要があろう。

飼い主の備えも欠かせない。基本的なしつけに加え、餌や水の備蓄、接種ワクチンの種類や時期などペット情報の把握も要る。

飼い主もペットも同じ避難者として尊重される社会の構築へ、理解を広げたい。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア