公明党トップ / ニュース / p449748

ニュース

2025年9月21日

実りの秋 コメどうなる

向こう1年の需給見通し、生産、需要を大幅上回る

実りの秋を迎え、各地で稲刈りが進んでいます。19日の農林水産省の審議会で示された、向こう1年の主食用米の需給見通しでは、生産量が需要量を大幅に上回ることが分かりました。従来の見通しが実態と異なり、コメ不足や価格高騰を招いたとの指摘を受け、推計の方法を見直したものです。コメの生産や価格はどうなっていくのか茨城大学の西川邦夫教授の見解とともに紹介します。

■訪日客による需要などを推計に反映

審議会で示された2025年7月から26年6月までの需給見通しによれば、25年産米の生産量(玄米)は745万~728万トンと前年を約70万~50万トン上回ると推計されました。一方、需要量(同)は711万~697万トンとなり、生産量が需要量を大幅に上回る試算になりました。

今回の見通しでは、これまで十分に反映されていなかった訪日客の需要の増加などを需要量に考慮。玄米を精米して残る白米の割合「歩留まり」が高温障害などで低下していることも踏まえ、精米ベースの生産量・需要量も初めて示しました。精米ベースの生産量は668万~645万トン、需要量は631万~624万トンになる見込みです。

26年6月末の民間在庫量(玄米)は最大229万トンと、今年6月末時点(157万トン)の約1.5倍となり、約10年ぶりの高水準になる推計です。

増産へ政策転換

昨夏のコメ不足を踏まえて、政府は8月、需給の変動に柔軟に対応できるよう「減反」から「増産」へとかじを切る政策転換を表明しました。

農水省は26年度予算の概算要求でも、生産性向上へ情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業の導入や、一般品種より収量増が見込まれる新品種への切り替え支援などを掲げ、増産を後押しする方針です。中山間地域などを支援する新たな仕組みの創設にも取り組みます。

こうした増産への支援に期待を込める農家もいます。千葉県柏市で、自動運転トラクターなどを駆使して150ヘクタールの水田でコメを作る株式会社柏染谷農場の染谷茂代表取締役は「担い手不足が深刻な中、スマート農業の導入は、省力化だけでなく、作物の品質向上にも役立つなど新規就農に有効だ。国を挙げて施策を進めてほしい」と語ります。

■(党農水キャラバン)農家の声聴き、支援に全力

スマート農業などに取り組む株式会社柏染谷農場を視察する谷合氏(右から2人目)ら=8日 千葉・柏市

コメの価格高騰などを背景に、農業の持続的経営の重要性が指摘される中、公明党は農家の現場の課題を調査し、政策立案に生かす「農林水産業キャラバン」を今年1月から展開。厳しい経営や担い手不足などの悩みに直面する農家らの切実な声を受け止め、政府へ提言してきました。

谷合正明農林水産業活性化調査会長(参院会長)は「今後、減少するコメ農家が需要に応じた増産を果たしていくためには、スマート農業の導入や、高温障害にも強い品種栽培などの支援を強化し、“稼げる農業”にする必要がある。それが、農産物の供給・価格の安定と消費者の安心へつながる。これからも公明党は農家の現場の声を丁寧に聴き、日本の食と農を守る政策に全力を挙げる」と決意を語っています。

■(今後の価格は)次第に落ち着く可能性/茨城大学教授 西川邦夫氏

茨城大学教授 西川邦夫氏

今年はコメの作付面積が増加し、生育や収穫高の状況を示す作柄予測も良好です。高温による品質への影響も懸念されましたが、供給量が極端に下振れすることは考えにくく、十分に確保できる見通しです。

昨年は需要に対して供給が不足したという価格高騰の根拠がありましたが、今年は供給量が確保されている中で、価格が上昇しています。こうした根拠に乏しい高騰は持続せず、次第に価格は落ち着くと見ています。

それまでの間、安いコメへの消費者のニーズに応えるため、備蓄米の販売期限を、政府が8月末から9月以降に延長した対応は妥当です。ただ、備蓄米は放出手続きに時間がかかるなどの課題も分かりました。再びコメ不足が起こった場合は、別の方策を考えていく必要があります。

今後、コメの安定供給の実現には、予測される需要に合わせて生産する「事前調整」ではなく、収穫した後に需要に合わせて対応する「事後調整」が重要になります。加工用米などを生産者・流通業者の判断で主食用米に転用するなど、新しい仕組みづくりを進めるべきです。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア