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コラム「北斗七星」
ようやく朝晩に秋の気配を感じられるようになった。かつては、夏でも夕暮れ時には風が涼しさを運んできたが、今はなかなか気温が下がらない。日中は外出をためらうほどの酷暑だ。あまりの暑さに今年も夏らしいことができなかった。花火、BBQ、川遊び、そして夏祭り。こうした夏の風物詩も少しずつ変わってしまうのか◆ポジティブな変化も生まれている。真夏でも快適に過ごせる屋内のイベント空間が増え、地域の体育館や図書館など公共施設は「避暑地」として価値を見直されている。熱中症対策の技術は着実に進歩し、冷却素材を使った衣類や保冷ベストは、建設現場など屋外で働く人々のスタイルを根底から変えつつある◆暑い国々の生活様式には、さらに多くのヒントが隠れている。例えば、マレーシアでは早朝からスクールバスが走り、スペインでは「シエスタ」と呼ばれる長い昼休みが根付いている。暑さと共存する知恵が文化として育まれてきたのだ◆季節の姿は変わり続ける。失われるものもあれば、新たに育つ習慣や文化もあろう。気候が過酷さを増しても、私たちは柔軟に暮らしの知恵を編み出していく。来年の夏こそ暑さに翻弄されず、「満喫した」と振り返りたい。(杢)









