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【主張】外為法の省令改正へ 二度とえん罪起こさぬ文言修正を
化学機械メーカーの大川原化工機株式会社が、生物兵器の製造に転用できると疑われた噴霧乾燥機を、経済産業相の許可を得ずに中国に輸出していたとされ、外国為替法(外為法)違反の罪を問われ、同社の社長ら3人の幹部が2020年3月に逮捕・起訴された。
ところが、起訴後の再捜査で、同社の噴霧乾燥機はそもそも許可の必要がない性質のもので、無実だったことが判明し、起訴は取り消された。このえん罪を招いた主な原因の一つに、外為法の貨物等省令の文言が曖昧だったことがある。それだけに、経産省が今月4日、同省令を改正する方針を示したことは重要だ。
日本などは生物兵器の製造に使える民生用の製品や技術の輸出を規制する国際枠組み「オーストラリア・グループ」(AG)に参加している。日本の貨物等省令はAGでの合意に従い、輸出の際に経産相から許可を得るべき製品や技術の仕様の詳細を定めたものだ。
噴霧乾燥機は液体を乾燥させて粉状にする機械で、粉ミルクなどの製造に使われる。生物兵器製造用の機械には、作業員が機械の中に残った細菌などに感染するのを防ぐ「滅菌」の機能が必要で、噴霧乾燥機の中には、その機能を持ち、規制対象となるものもある。









