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交通事故の怖さ実感 公道で安全教室開催
スタントマンが衝突を再現
熊本・天草市
交通安全教室で事故の怖さを伝えるスタントマンによる迫真の演技
熊本県天草市と同県警天草警察署はこのほど、出合い頭の交通事故などの危険性を知ってもらうため、同市八幡町を通る市道の一部を通行止めにし、スケアード・ストレート方式による交通安全教室を開催した。スケアード・ストレートとは「恐怖を実感する」という意味。スタントマンの実演による交通事故の再現を通じて、参加者に事故の衝撃や怖さを実感してもらい、交通安全の意識を高めることを目的としている。
同署によると、公道を利用した同方式の安全教室は県内初の試み。市議会公明党の赤木武男議員が視察したほか、学校の交通安全担当職員や市交通指導員、地元住民らが参加した。
見通しの悪い丁字路で行った実演では、初めに交通ルールに則した正しい安全運転マナーを紹介。続いて、一時停止をせずに進入してきた自動車と自転車が、出合い頭にぶつかる事故を再現。激しい衝突音が響き渡り、回転しながら地面に倒れ込むスタントマンの姿に、参加者からどよめきが起こった。
また、駐車場内で自動車が後退時に歩行者をはねる事故の再現も行われた。参加した高校2年の女子生徒は、「迫真のスタントで怖かった。バイクで通学しているので、歩行者や車によく注意して安全運転をしたい」と感想を寄せた。
教育用DVDとして活用も
実演の様子は動画撮影されており、天草地域のロケーションを活用した独自の交通安全教育・啓発用のDVDとして編集する。完成は来年3月の予定。市地域振興部の渡邊英人部長は「交通安全意識の普及啓発や事故防止につながれば」と期待を込める。
赤木議員は2018年6月の定例議会で、スケアード・ストレート方式による交通安全教室の開催を提案。市側から前向きな答弁を引き出すなど、同教室の実施を後押ししてきた。