ニュース
コラム「北斗七星」
「TSUNAMI(津波)」が世界中で通じるように「BOSAI(防災)」も海外へと広がることを期待したい。東日本大震災から8年8カ月を迎えた先週、仙台市内で「第2回世界防災フォーラム」が開催され、40を超える国と地域から、約900人が参加した◆これはスイスの防災ダボス会議と連携し、国内外から産・官・学・民の防災関係者が集まる国際会議。2017年の初会合から隔年で仙台で開き、東日本大震災を教訓に、各国の政策、社会や文化へ「防災の主流化」の浸透をめざしている◆台風19号など甚大な水害が多発した本年の会議は水関連災害を巡る議論も活発に交わされた。ある会議では、世界における近年の自然災害の発生が地球温暖化に伴い、1980年代から2.5倍に増加したことが紹介。地震など地質災害に大きな変化がない一方、水害が3倍以上増え、有効な対策の必要性が強調された◆水害は地形だけが原因ではない。社会的な要素もある。高齢化、震災後の建築コスト高騰で1階平屋建ての住宅が増えた地域では、2階などへ「垂直避難」ができず被害が拡大したことが指摘された◆会合では災害時、地域において自助・共助する「地産地防」の仕組みも提案。“わがまち”の課題を“わがこと”と捉えて、行動することが命を守る。(川)