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2025年9月12日

【主張】川崎ストーカー事件 検証生かし悲劇起こさぬ体制に

ストーカー被害の根絶へ、警察は悲劇を起こさない体制の構築を急がなければならない。

神奈川県警は4日、元交際相手からのストーカー被害を訴えていた川崎市の女性が殺害された事件について、捜査対応を巡る検証報告書を公表した。報告書では適切な初動対応ができなかったと認め「対処体制が形骸化し、組織的問題があった」とした。県警は事態を重く受け止め、再発防止策を徹底する必要がある。

問題は、被害者から度重なる相談を受けていたにもかかわらず、警察が危険性や切迫性を過小評価し、対応が遅れたことだ。

報告書によると、女性は昨年6月から元交際相手の暴力行為などを警察署に相談していた。12月には短期間に9回通報し、ストーカー規制法違反が疑われる、つきまとい行為の訴えもあった。だが、加害者に警告などの措置ができる署長まで報告が上がらず、記録や情報共有も不十分だった。

その時点でストーカー事案として認知していれば、「警告・禁止命令の措置や被害者の安全を確保する措置を講じることができた可能性があった」と指摘しており、その責任は重い。

県警は再発防止策として、被害者保護などに携わる生活安全部門と、犯罪捜査を担う刑事部門を統括する司令塔役の設置などを行う。警察庁も各都道府県警に対して同様の司令塔役の設置を打ち出した。被害者の命を守るため、万全の組織体制を整えるべきだ。

警察へのストーカー事案の相談件数は年2万件前後の高い水準が続く。ストーカー行為がエスカレートするのを未然に防ぐ危機感を持った対応が欠かせない。

現行法では、つきまといなどの行為があった場合、警察は被害者の申し出を受けてから加害者に警告することになっている。ただ、被害者が報復を恐れて申し出をしないケースも少なくない。状況的に被害に遭う危険性があれば、警察の判断で警告できるといった対応も必要ではないか。

政府は実効性を高める法改正を検討してほしい。

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