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2025年9月3日

【主張】洋上風力発電 三菱撤退を教訓に制度見直しを

洋上風力発電の普及を遅らせかねない事態である。

三菱商事が秋田・千葉両県沖の3海域で進めていた洋上風力発電事業からの撤退を発表した。近年の資材価格の高騰などを受けて建設コストが想定より2倍以上に拡大し、採算が合わなくなったという。

政府は2月に閣議決定したエネルギー基本計画で、2040年度の電源構成の4~5割程度を再生可能エネルギーにする目標を掲げた。その“切り札”と期待されるのが、四方を海に囲まれた日本でも導入拡大の可能性がある洋上風力だ。政府は対応策を早急に検討すべきである。

そもそも、三菱商事を中心とする企業連合は、再エネ拡大に向けた大規模計画の公募第1弾で、競合他社よりも圧倒的に安い売電価格を提示し、3海域の案件を総取りした。あまりの安値に当初から事業が成り立つか懐疑的な見方もあったが、結局、撤退に至ったことは見通しが甘かったと言わざるを得ない。

一方、今回の撤退は、安い価格で応札した事業者が選ばれやすい公募ルールの課題も浮き彫りにした。政府は事業者を再公募する方針だが、今回の教訓を踏まえ、事業を完遂できるよう公募ルールを含む制度の見直しが必要だ。その際、第2、第3弾の公募で他の海域の案件を落札した事業者との公平性にも最大限に配慮しなければならない。

また、建設費は世界的に高騰している。国内に大型の風車メーカーがなく輸入頼みの上、円安が追い打ちをかけている。事業者が採算を確保でき、持続可能性を高められるようにすることも重要だ。

撤退が決まった地元地域への支援も欠かせない。地元では地域経済活性化の観点からも洋上風力への期待が大きく、関係者は港湾の整備など事業に協力してきた。政府は支援策について検討する必要がある。

三菱商事は次の事業者が決まるまで地域振興に取り組み、事業に関するデータの提供も行うとしている。地域に寄り添い、社会的責任を果たしてもらいたい。

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