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2025年7月31日

水道の老朽化対策

先進技術で効率的に

埼玉県八潮市の道路陥没事故から今月28日で半年を迎えた。事故の原因とされる水道管は全国で老朽化が進み、対策が急務だが、人手や財源の不足などがネックになっている。こうした課題の解決へ、人工知能(AI)やドローンなどの先進技術を使って、効率化を図る自治体の取り組みを追った。

福岡市
AIで漏水確率など算出
更新の優先順位決定に活用

老朽化などで水道管から水が漏れる「漏水率」が2.0%と世界トップクラスの低水準を誇る福岡市では、AIを活用した老朽度評価を2023年度から導入している。

水道管の老朽化は、年数だけでなく、土壌などの埋設環境によっても異なる。掘削調査を実施し、独自に老朽度を評価する自治体も多いが、同市ではAIを使って市内約4100キロの配水管の長期的な老朽度を予測し、漏水事故の確率などリスクを算出している。

このAI技術には、民間企業が保有する全国約6000件の調査データなどに加え、同市がこれまで蓄積してきた約500件の調査データが用いられている。

同市で年間に更新できる水道管は45キロ程度。工事の優先順位をどう決めるかが大事になるが、AIによる老朽度評価により、「適切な更新計画を立てることが可能になった。加えて、調査にかけていた人員や費用の削減にもつながっている」(市の担当者)という。

同市では、漏水調査にもAIを活用している。通常、漏水の有無を確認するためには、現地で調査員が漏水の音を聴き取る「音聴調査」が実施されるが、交通量の多い道路や線路の近くなどでは音の聴き取りが難しい。そこで24年10月から、そうした場所の水道管に50基のAI判定機能を備えたセンサーを設置し、漏水の判定に活用している。漏水の可能性を検知した場合には、調査員が現場での確認を行う。実際に、漏水の早期発見につながった事例も見られる。

公明党福岡市議団(大石修二団長)は議会質問を通じて、水道管の漏水対策へのAI活用を求めるなど、一連の取り組みを推進してきた。

千葉市
下水管点検にドローン

千葉市は、将来的な下水道管の点検・調査へのドローン活用をめざし、取り組みを進めている。

下水道管内は、狭さや水位の高さ、有毒ガスの発生などによって作業員が立ち入っての点検が困難な所も多い。また、大きな管内では、作業員の目が届かない場所もある。同市ではこれまでも自走式のカメラを活用して、そうした下水道管内の点検を行ってきたが、無線で操縦できるなど、より作業の効率化に期待できるドローンに着目した。

今年1月には、水位の高い場所でも利用できる水陸両用走行型のドローンの実証実験を実施。市内の河川へ流れる下水道管内を約50メートル水上走行した。同5月には、飛行型ドローンを使った大規模雨水貯留施設の点検を行った。管内を約660メートル飛行したほか、目視が困難な上部の点検も実施することができた。

市の担当者はドローンの導入について「作業員の安全確保や点検の効率化につながる。今は実証実験の段階だが、本格導入に向けて、取り組みを進めたい」と語る。

公明党千葉市議団(森山和博幹事長)は、先進技術を活用したインフラ整備の必要性を訴えるなど、市の取り組みを後押ししている。

政府、DX導入率100%めざす

政府は、今年6月に閣議決定した第1次国土強靱化実施中期計画で、上下水道施設の維持・更新など、インフラの老朽化対策を強く進める方針を改めて打ち出した。この中では、上下水道の点検・調査の高度化、効率化を進める観点から、AIやドローンといったDX(デジタルトランスフォーメーション)技術を導入する上下水道事業者の割合を27年度までに100%にする目標を掲げている。

これに先立ち、国土交通省は今年3月、自治体への先進技術の導入促進に向け、「上下水道DX技術カタログ」を公開。福岡市、千葉市のように、自治体での導入、実証実験が進んでいる民間企業の先進技術を掲載している。

事故の未然防止へ支援強化

中野洋昌 国交相(公明党)

八潮市の陥没事故を受け、公明党からの強い要望もあり、国交省として自治体に要請し、一定規模以上の下水道管の重点調査を進めている。特に事故発生時のリスクが高い下水道管に関しては、点検頻度を増やすなど、重点的な対策を講じていく。

こうした事故を未然に防ぐ点検・調査などの対策には、人手も費用も必要だが、上下水道事業を担う自治体では、その確保に苦労している。そこでDX技術の活用が大切になる。

今後、各地の公明議員と連携しながら、自治体の取り組みへの支援強化を図りたい。

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