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2025年7月25日

参院選結果 識者に聞く

与党議席減、所得への不満色濃く 
SNS依存長続きせず、地道な政治活動が大切 
同志社大学教授 吉田徹氏

20日投開票の参院選の結果をどう見るか、識者に聞いた。

――参院選の結果をどう分析するか。

吉田徹・同志社大学教授 この3年間、実質賃金は、ほぼマイナスで推移している。そうした状況では与党が支持を集めるのは難しく、所得や購買力が減った有権者の不満が与党過半数割れという結果に色濃く表れた。世界的な選挙イヤーとなった昨年行われた各国の選挙でも、インフレを背景に、多くの国で与党の敗北ないし議席減となった。

排外主義にあらがう公明の存在が重要に

――排外主義的な主張も広がったが。

吉田 簡便に言うと、困窮化の中でスケープゴート(身代わり)が求められ、その矛先が今回は外国人に向かったということ。他の多くの先進国でも見られる構図だ。ただ人々の心理の中にある、漠とした不安感を「外国人のせいだ」と公党が言い始めると、社会全体にその認識が広がり得る。非常に危険な状況だ。

その中で人間主義と人類主義を掲げる公明党は、人権は国籍と関係ないと主張し続けている。こうした排外主義的な意識がもたげる場合、それに抗し、けん制していく公明党の存在が今ほど重要な時はない。

組織政党は大きく浮き沈みしない

――SNS上の世論を無視できなくなった。

吉田 このままいくと分極化が進んでいく。政党自らが囲い込んだ支持者を満足させることだけに傾注すれば、議会では何も決まらなくなり、それが不満を呼び込み、さらにアウトサイダーに期待が集まることになる。ナチスが出てくる前のワイマール共和国もそうだったが、議会政治に対する不満や不信が高まり、それに目を付けた勢力が拡大することになる。

まさに今、そうした状況で、組織政党が衰退している。ここは耐え忍び、地道な政治活動に取り組むことが重要だ。一部政党がSNSで躍進したが、SNS依存は長続きしない。大きく浮き沈みしないのが、組織を持つ政党の強さだ。

――衆参両院で少数与党となった中で公明党に期待することは。

吉田 個別政策ごとに与野党で協議していくことになるが、政策の一貫性や合理性、継続性が損なわれる可能性がある。先の通常国会のように、野党は予算案を人質に取りながら、与党に自らの要求をのませようとするだろう。政策に一貫性を持たせたいのであれば、与党として政治的な判断が求められる。

公明党は、主要野党とも政策的な距離が近い。政策的なポジションだけでなく、自民党と野党の間に入れる今の立場を最大限に生かし、政策の一貫性を維持しながら合意形成を進めていく役割を公明党に期待したい。

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