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コラム「北斗七星」
きのう盛況のうちに幕を閉じた東京モーターショー。新型車がズラリと並ぶ中に、昔から変わらぬ姿のオートバイを見つけた。「スーパーカブ」(ホンダ)だ◆1958年に発売を開始し、2017年に生産累計台数が1億を突破。世界最高記録を更新し続けている。最初の1台から商品コンセプトや基本メカニズム、シルエットを変えることなく、21世紀に入ってさらに売り上げを加速する◆開発当時の本田宗一郎社長と藤澤武夫専務が、世界のバイク事情を現地調査し構想を練った。そして、誰でも簡単に扱えるコンパクトな「手のうちに入る」(本田)、「女性が乗りたくなる」(藤澤)オートバイをめざした◆その要件は、乗り降りしやすい、クラッチがない、エンジンは50㏄で4馬力以上、そして安全などなど。妥協は一切しない。当時、不可能とされた50㏄で4馬力などの開発は困難を極めた。「不可能だと思われている技術に無我夢中で挑戦しているときが常態」(中部博著『スーパーカブは、なぜ売れる』)である本田を中心に、難題を克服していく現場は“道場”と言われた◆妥協なく消費者の願いを形にした「繊細な気働きをもって開発された製品」(同)だから、60年以上もユーザーの心をつかんで離さない。国民の心をつかむべき政治家なども学ぶところが多いのでは。(三)









