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影響緩和策 着実に効果
消費税10%から1カ月
駆け込み需要、反動減は小さく
軽減税率など消費税率引き上げに伴う影響を調査する公明党の山口那津男代表(右)=10月6日 東京・豊島区
消費税率が10%に引き上げられてから、1日で1カ月を迎えた。家計の負担を抑えるため、飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率の導入や、プレミアム付き商品券の発行、キャッシュレス決済時のポイント還元制度など、あらゆる対策を実施。着実に効果を上げ、「(前回税率を引き上げた)2014年のような大きな駆け込み需要は見られていない」(安倍晋三首相)。反動減も小さいと見込まれており、大きな混乱は生じていない状況だ。
■【軽減税率】家計負担「変わらず」8割
公明党の主張で今回の税率引き上げに合わせて実施された軽減税率。当初、イートイン(店内飲食)コーナーのある店では混乱を心配する声もあったが、実際には、ほとんどの店で大きなトラブルは見られなかった。
また、導入後、マスコミの世論調査によると、10月以降の家計負担については、支出が「変わらない」と答えた人は76%(10月28日付「日経」)で、軽減税率が一定の効果を発揮したとみられている。
一方、軽減税率に対応したレジ導入など事業者側の準備の懸念があったが、レジ導入を支援する政府の補助金申請は順調に推移。10月第4週までの累計は約15.7万件で、中小企業庁は「12月16日の申請期限まで万全の体制で臨む」としている。
■【ポイント還元】想定上回るペースで活用
消費税対策の目玉の一つが、ポイント還元制度だ。大手コンビニでは、キャッシュレス決済の比率が前年同月比で約6割も増加。想定を上回るペースで増えており、政府は必要に応じて予算の追加措置を検討する方針。経済産業省によると、1日平均10億円分のポイントが消費者に還元されている。同省は「順調な滑り出し」と評価し、「(現在)申請をしている店舗が11月中に登録完了できるよう、審査を迅速化する」と話している。
■【プレミアム商品券】医療機関での利用が好評
公明党が推進したプレミアム付き商品券は、10月から発行。自治体によっては医療機関で利用することができ、子育て世帯から「予防接種にも使えて便利」との声も上がっている。購入対象となる住民税非課税者については、自治体に申請が必要なため、早めの手続きを呼び掛けている。
一方、こうした消費税対策の周知徹底が不十分な点も指摘されている。このため、公明党消費税率引き上げに伴う影響緩和の検討対策本部(本部長=石田祝稔政務調査会長)は、対策の効果が最大限発揮されるよう、政府に対して万全の対応を強く求めている。