ニュース
コラム「北斗七星」
「プロじゃないから」「私みたいなアマチュアが」。女優の吉永小百合さんは、先週放送されたNHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の冒頭で、自分が取材を受けることに戸惑いを隠さなかった◆「もう少し成長したい」「満足したら、そこで終わっちゃう」とも語る。74歳の今も日本を代表する映画スターとして活躍できるのは、謙虚な姿勢と強い向上心のたまものだ。「素人とプロの狭間にいるのかも」と自分を見つめ、「道遙かです」とさらなる高みをめざす◆公明党は今月、結党55年の節目を迎える。野党時代も与党の今も、わが国の課題に正面から向き合い、幅広い合意形成に努め、幾多の実績を積み重ねてきた。ただ、それが過信や慢心につながるようなことがあってはなるまい◆「大衆福祉」を政策の柱に掲げた結党時、「福祉は政治ではない」「素人はこれだから困る」と政治のプロを自称する人たちから嘲笑された。今振り返れば、公明党の“素人目線”がどれほど正鵠を射ていたかは明らかだ◆強調したいのは、素人とプロの違いではない。「大衆とともに」の立党精神を貫き、政策実現に愚直に取り組むことの大切さだ。吉永さんも語っている。自分に対する評価は「残した作品で、きっと後の人たちが決めてくださる」。(幸)