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(対談)持続可能な建設業に
日本建設業連合会(日建連)会長、清水建設相談役 宮本洋一氏
公明党代表 斉藤鉄夫氏
頻発・激甚化する自然災害、老朽化する社会インフラへの対応が求められる中、「地域の守り手」である建設業を取り巻く環境は、人手不足や資材・労務費の高騰など厳しさを増しています。持続可能な建設業に向けた取り組みについて、日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長(清水建設相談役)と、公明党の斉藤鉄夫代表が語り合いました。
■担い手確保へ魅力を発信(宮本)
■20兆円強の中期計画実行(斉藤)
斉藤 私は政治家になる前、清水建設で17年間働きました。同社技術研究所で鉄筋の研究に従事していたこともある建設業界出身者です。
また、昨年11月まで3年間、国土交通相を務め、建設業で働く人の処遇改善をはじめとする改正建設業法など第3次担い手3法の法整備にも携わりました。建設業は、国民生活を向上させ、日本全体の発展につながる魅力ある産業ですね。
宮本 ありがとうございます。建設業は、コンクリートなどを使って、人々が安心して生活できる空間を作る、いわば衣食住の「住」を担う大切な仕事です。例えば、医療や福祉の提供体制がいくら整っていても、そこにアクセスする道路や橋など交通インフラが途絶えてしまうと機能しなくなります。そうした基盤をきちんと作っていくことが重要です。
斉藤 おっしゃる通りです。建設業の就業者は30年前、約690万人いましたが、直近の調査では約480万人と3割も減っています。要因の一つには民主党政権下、公共投資が大幅に削減されたことにあると思います。
宮本 2011年の東日本大震災などを機に徐々に増えてきているものの、十分な額まで戻りきっていません。
斉藤 公共投資の削減で建設業の経営環境が一気に悪化し、離職する人も増えました。
■下水管の老朽化対策など公共投資は必要
宮本 公共投資が減ると仕事自体が減り、入札で安い金額でも請け負わざるを得ず、工事で材料費はあまり削減できないため、労務費にしわ寄せが及ぶ懸念があります。
公共投資を削減すると、後でツケが回ってきます。例えば、今年1月に埼玉県八潮市で下水道管の破損により起きた道路陥没事故。老朽化した下水道管の十分なメンテナンスの重要性を実感しました。
斉藤 自公政権下で公共投資を増額してきましたが、米関税措置への対応も含め、継続的な十分な予算確保を政府に働き掛けていきます。国の発注工事は、契約後に資材価格が高騰したら、請負代金の変更を国に請求できる「スライド条項」があります。そうした仕組みが、民間の発注工事にも取り入れられることが重要です。そこで、昨年成立した第3次担い手3法には、価格転嫁の協議や適切な請負代金への変更を促すことを盛り込みました。
宮本 国交相を公明党の議員が担われているわけですが、公共工事設計労務単価の引き上げや、担い手3法の改正など建設業に対する多大な尽力に感謝しています。
ただ、自治体の発注工事の中には、適正な積算に基づく金額から根拠なく一定の割合を減額して発注する「歩切り」が、いまだ行われている可能性があります。災害が起きた時、復旧作業に当たるのは、地場で作業員と機械を抱えている会社です。予算を減額したことで採算が悪化し、こうした会社が廃業すれば日本にとって損失です。国からの一層の指導をお願いします。
斉藤 しっかりと対応していきます。
斉藤 建設業の担い手確保も重要です。第3次担い手3法では、働き方改革として週休2日の確保推進が盛り込まれています。国だけでなく自治体が発注する工事の中にも、環境が十分整っていない現場があります。公明党は、国と地方の議員ネットワークを生かして、建設業の働き方改革を進めていきたい。
宮本 ありがとうございます。建設業が次世代へと続いていくためには、若い世代の方に魅力ある産業だと感じてもらうことが大切です。そのためには、広報強化も重要です。
斉藤 国交相時代、荒川流域の洪水対策として埼玉県内で整備を進めている「荒川第二調節池」を視察しました。その際、国交省側も、工事を請け負っている会社側も、現場の中心的な立場に就いていたのは女性でした。その現場は、冷房が効いた部屋の中で女性がドローンや遠隔操作で動く重機を操作していました。こうした現場の様子を多くの人に知ってもらいたい。
■資材価格、人件費の高騰分適切に反映を
宮本 25年度の政府当初予算では、6兆円超の公共事業予算を確保していただいていますが、建設資材や労務費などの価格動向を示す「建設物価」は3年前と比べ、2~3割上がっています。公共事業予算が増えても、ここ数年の資材価格や労務費の上昇などはカバーしきれません。それらを反映した公共事業予算の増額による、実質事業量の確保を、ぜひともお願いします。
斉藤 重要なご指摘です。公明党が働き掛け、政府は今月6日、防災・減災、国土強靱化に関する実施中期計画を閣議決定しました。26年度から30年度までの5年間で、当初予算と別枠で20兆円強の事業規模を示しました。
宮本 この計画に「今後の資材価格・人件費高騰等の影響については予算編成過程で適切に反映する」と記載されている通り、適切な対応をお願いしたいと思います。
斉藤 着実に実行してまいります。日本の社会インフラの整備はまだまだ遅れています。十分な予算確保を継続し、建設業の皆さまと共に、命を守る安全・安心の国土づくりに努めてまいります。
みやもと・よういち
1947年生まれ。71年に東京大学工学部建築学科卒業後、清水建設株式会社に入社。執行役員北陸支店長、常務執行役員九州支店長、専務執行役員営業担当、代表取締役社長、代表取締役会長を歴任。日本建設業連合会では副会長、土木本部長などを経て2021年4月から現職。










