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コラム「北斗七星」
「破天荒」の本来の意味は「誰もなし得なかったことをする」である。中国唐代、官僚採用試験の合格者がなく「天荒」(未開の荒れ地)と呼ばれた地から合格者が出た故事による◆井手英策慶應義塾大学教授の『ベーシックサービス「貯蓄ゼロでも不安ゼロ」の社会』(小学館新書)は著者自ら「破天荒な」と言う本だ。医療・介護・教育など皆が使うサービスの無償化を提言した◆公明党は2020年党大会でベーシックサービスの検討を打ち出し、昨年の大会で、その考え方を踏まえて社会保障制度をつくることを掲げた。都議選では「子どもベーシックサービス」の導入を公約とした。教材費なども無料にし、妊娠期からの子育て・教育の基本的費用を無償化する◆この本で井手氏は、政治の世界でくだらない事件が続くことを嘆きつつ「心ある政治家はいます」「将来のビジョンを示す政党を見きわめ、大切な1票を投じていかねばなりません」と訴えた◆公明党は都議選重点政策に、子育て・教育費無償化のほか、現役世帯の所得増、手頃な家賃の住宅提供などを盛り込んだ。現在の物価高に対応しつつ、将来のビジョンを示すものだ。破天荒の戦いで、22候補全員当選を勝ち取ろう。(直)