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コラム「北斗七星」
共産党のチラシには、よく「表」が出ている。東京都議選を前にポストに入ったものにも、「学校給食無償化条例」「シルバーパス値下げ条例」などそれぞれについて、公明党などは反対したから×、共産党は賛成したから○とした表が載った◆「学校給食無償化」や「シルバーパス値下げ」はいずれも、公明が議会で訴え、知事ら都側と折衝を重ねた末に実現した。共産はこれらを計上する今年度予算に反対した◆ところが、表では“共産が公明などの反対をはねのけて実現した”かのようだ。公明などが反対したのは、かつて共産が予算確保の見通しもないまま出しただけの「条例案」。否決されたのに、表では「案」を外して「条例」としており、成立した条例に公明などが反対したとの誤解を与える◆関心の高い施策について、過去の条例案を持ち出して、公明が反対し、共産が実現したように“あべこべ”に描き手柄にするのは常とう手段だ◆1994年、公明が知事から前向きな答弁を引き出し、乳幼児医療費無料化を実現した際も、共産は同様に、公明が反対したとデマを流し、自分たちの成果として宣伝した。“実績横取り”の手口は“三十年一日”のごとし。進歩が見られないようだ。(丈)