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都議会公明党「実績物語」(下)
■(私立高校の無償化)直談判重ね、対象を大幅拡大
「私が私立高校に行っても大丈夫?」。都内で4人の子どもを育てる40代の男性は昨年末、長女からこう投げ掛けられた。「『大丈夫だよ』と言ってあげられた。公明党が私立高校の無償化を実現してくれたおかげだ」と男性は笑顔で語る。
東京都は2017年度、私立高校授業料の実質無償化をスタートさせた。「公明党の提案がまさに花開いた」と小池百合子知事が評した施策だが、当初、都側から提示された年収上限は350万円。「これでは、ほとんどの世帯をカバーできない」。公明党の闘いが始まった。
会合などに参加する小池知事を追い掛け、数分の時間を見つけては、直談判を繰り返した。都財務局との交渉を重ね、なんとか財源の見通しも付けた。
公明党の執念と小池知事の決断により、最終的には、当初示された額の倍以上の「760万円未満」を対象にすることで決着。各紙は「知事は『公明党と話が整った。一致できてよかった』と強調した」(日経)、「小池氏は『公明党さんとも<これでいこう>と話が整った』と舞台裏を明かした」(東京)などと報じた。
都の制度創設が追い風となって、20年度には国の私立高無償化制度が実現。東京都では24年度から、都立高も含め“所得制限なし”での無償化を実施している。
■(シルバーパス)利用負担減へ「4割安」実現
「利用者の負担額を、まずは月額1000円程度に引き下げるべきだ」。昨年12月、小池百合子知事への予算要望で都議会公明党が訴えたのは「シルバーパス」の負担軽減だった。
シルバーパスは、70歳以上の都民が定額を支払えば、都営地下鉄やバスなどを無料で利用できるもの。高齢者の社会参加を促すことで、健康増進や医療費軽減につながる制度として、毎年約100万人が利用している。
利用者負担は、住民税非課税者などが年間1000円である一方、住民税課税者は年間2万510円。これが、公明党の訴えた通りに、今年10月から年間1万2000円へと約4割引き下げられる。併せて、利用実態を把握することで、さらなる負担軽減につなげようと、公明党の提案でICカード化も進む。
公明党は、1972年6月の都議会定例会で、高齢者福祉として「交通機関の無料パスを支給するなど、あたたかい措置を」と提案。都側から「至急検討したい」との答弁を引き出し、74年にシルバーパスの原型となる「敬老乗車証」制度が創設された。また、財政改革などで同制度の見直しが検討されるたび、存続を勝ち取ってきた。
シルバーパスの“生みの親”である公明党が、これからも高齢者の生活の“足”を守っていく。
■(財政再建)「新公会計」で破綻の危機救う
東京都の財政は1998年、実質収支が史上最悪の赤字となるなど、危機的状況にあった。都財務局は、財政再建に向けた取り組みを促すが、それまで潤沢な税収を基に事業を行ってきた都庁全体の意識は変わらない。
「『このままでは行政サービスがままならなくなる』と訴えても“オオカミ少年”扱いされた」(当時の同局職員)。
そうした中、財政の健全化に向け、議会から声を上げたのが公明党だった。「会計制度がしっかりと確立しなければ、財政再建の第一歩が踏み出せない」。2002年3月、都議会予算特別委員会で、公明都議が「新公会計制度」の導入を提案。同制度により、資産や負債、コストなどを正確に把握できる。民間企業では採用されていたが、全国の自治体での導入例はなかった。
公明党の提案を受け、都は06年度に同制度を導入。1兆円にも上る“隠れ借金”の解消や基金の積み立てなどによって、財政破綻の危機を回避することができた。
加えて、事業コストを比較・検討し、見直しを図る「事業評価」が可能になったことで、07~25年度までの19年間で“1兆円超”の新たな財源が生まれ、行政サービスの充実につながっている。都の制度を基にした会計制度は、いまや全国の自治体で採用されている。
■(学校給食の無償化)全自治体実施へ補助率引き上げ
“無償化”された給食を食べて笑顔を見せる児童=足立区の小学校
「大きく潮目が変わったのは、都議会公明党の都知事への申し入れ。恐らくあそこがターニングポイントだった」――。昨年12月、東京都小金井市議会の予算特別委員会で、給食費無償化を決断した経緯を問われた白井亨市長は、こう語った。
市長が言及した「申し入れ」。これは、都内の全公立小中学校で給食費無償化を実現しようと、都議会公明党が昨年8月、市町村への財政支援の大幅拡充を小池百合子知事に要請したことを指している。
実際、公明党の申し入れを受けて都は、今年1月から、市町村への補助を「8分の7」まで引き上げた。小金井市は同月から、これを活用して実施に踏み切った。
23区では昨年4月、全区で給食費が無償化された。公明党の提案で都が同月、区市町村向けに費用の「2分の1」補助を創設したからだった。しかし、財政事情が厳しい多摩地域の市町村では、財源確保への不安から実施に至らない自治体もあった。
そんな状況を打開したのが、公明党の申し入れで実現した「8分の7」補助だった。これにより、今年1月から、都内全ての公立小中学校での給食無償化が実現した。
「東京の子どもたちが平等に恩恵を受けられるように」。公明党の訴えはカタチになっている。