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2019年10月19日

コラム「北斗七星」

東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号。雨量は許容想定をはるかに超え、河川の決壊が相次いだことが災いした。深夜にかけて台風が通過した地域では、避難の見極めがより困難になった。犠牲者の7割は60歳以上で、自力避難が難しい高齢者を多く含んでいた◆被害は広域かつ多分野にわたる。鉄道や道路、橋といった交通インフラが重大な被害に遭った。実りの時期を迎えていた農業が打撃を受けている。地域経済への影響も懸念される。1週間を経てもなお、被害の全容をつかめない所がある◆尋常でない規模の台風だと認識してもらうために本州上陸の前日、気象庁は異例の注意喚起を行った。犠牲者1200人超の1958年狩野川台風に匹敵、と説明した。発信側は被害想定地域まで限定する意図はなかったが、エリアを限ったメッセージと受け止められた可能性は否めない◆命の危険性に言及する大雨特別警報を初めて当事者として経験した。今回、河川の氾濫を免れた土地の低い地域では、浸水時などの危険度を地図で示すハザードマップの存在が説得力を持っただろう◆あらゆる機能が集中する東京で、仮に大規模停電が起きたら至る所で深刻な現実が突き付けられたはず。身につまされた今だから、自助・共助の備えの大切さが染みてくる。(広)

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