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【主張】感染症の国際条約 次なる危機に備え体制強化急げ
新型コロナウイルス禍の教訓を生かし、次に起こり得る感染症の危機に備えて国際的な協力体制の強化を急がねばならない。
世界保健機関(WHO)の加盟国は20日、感染症の世界的大流行(パンデミック)への備えや対応を定めた新たな国際ルール「パンデミック条約」を採択した。
条約では、病原体の情報共有といった感染症対策における国際協力の重要性を明記。ワクチンなど医薬品製造に関する技術や知識の途上国移転もめざす。
条約を巡る議論は先進国と途上国の主張が対立して3年を超えたものの、双方が課題を共有して合意にこぎ着けたことは重要な一歩であり、高く評価したい。
WHOによると、新型コロナによる死者は少なくとも700万人超とされ、経済的な損失も甚大だった。感染症は国境を越えて広がるため、食い止めるには国際的な連携が欠かせない。
重要なのは、予防や治療の手段を途上国も含めて分け隔てなく提供する体制であり、条約採択の意義もこの点にある。ただ、詳細な制度設計はこれからであり、ルールの実効性を高めていく議論を進めたい。
一方、憂慮されるのは米国が条約に加わっていない現状だ。トランプ大統領がWHO脱退を表明し、条約を採択した会合に米国は出席しなかった。公衆衛生に対する対応力低下につながりかねず、国際社会は米国がWHOにとどまり、条約にも参加するよう説得する努力が求められよう。
同時に、米国不在でも的確に対応できるよう準備を怠るべきではない。わが国では2023年、内閣官房に対策の司令塔を新設し、先月に科学的知見を政府に提供する新たな専門家組織を立ち上げた。医療提供体制の強化や感染症研究を加速させていく必要がある。
公明党は、22年の「グローバルヘルス戦略」に向けた政府提言や、今月発表した「平和創出ビジョン」で条約の早期制定や実効性の担保を訴えてきた。国際社会で日本が主導的役割を果たせるよう、さらに後押ししていきたい。









