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2019年10月12日

【主張】高齢者の就労環境整備 在職老齢年金の見直しが論点だ

働く意欲のある高齢者の就労環境の整備を進めたい。

厚生労働省は、働いて収入がある高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」について、見直し案を社会保障審議会の部会に示した。

現行制度では、賃金と年金の合計が65歳以上で月47万円、60歳から64歳で月28万円を超えると年金が減額されるが、この仕組みが高齢者の就労意欲を抑えているとの見方がある。厚労省の調査では、年金額が減らないよう働く時間を調整していると答えた人の割合が、65歳から69歳の労働者の4割近くに上っている。

高齢者の7割近くが65歳を超えても働く希望を持っているが、実際に働いているのは2割にすぎないとの調査結果もある。人生100年時代を迎え、高齢者が働きやすい環境づくりは喫緊の課題にほかならない。

このため厚労省は、在職老齢年金制度の見直し策として▽65歳以上については減額基準を62万円に引き上げるか制度そのものを廃止▽60歳から64歳については62万円までの引き上げか現状維持――との案を示した。

働く高齢者には、収入アップになる制度見直しは歓迎されるであろう。また、高齢者の就労拡大によって、年金や医療などの社会保険料を納める人が増えれば、社会保障財政の安定化につながることも期待できる。

一方で懸念もある。65歳以上の減額基準を62万円に引き上げた場合、減額対象者が約41万人から約23万人に減り、年金の支給総額は年間で2200億円増える。制度自体を廃止すると4100億円に膨らむ。年金財政を圧迫するようになれば、将来世代の給付水準の低下を招きかねない。

この点、公明党の山口那津男代表が、9日の参院本会議での代表質問で、在職老齢年金制度を見直すべきとした上で、公平性に留意するよう求めたのは重要だ。働く高齢者の年金額の増加と全体の給付水準とのバランスについて、政府は議論を深めてほしい。

高齢者の就労環境の整備には、企業側の協力も欠かせない。厚労省によると、66歳以上でも働ける制度のある企業は3割に満たない。高齢者の採用に積極的に取り組む姿勢を求めたい。

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