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【主張】介護人材の処遇改善 消費増税分の活用で大きく前進
今月から消費税率が10%に引き上げられ、増収分の一部が介護人材の処遇改善に活用される。介護分野では担い手確保が急務なだけに、就業希望者の増加や職員の定着につなげたい。
今回の処遇改善は、経験や技能のある勤続10年以上の介護福祉士に対し、月額8万円相当の報酬アップなどを行うもので、必要な資金は各事業所に支給される。勤続10年未満の介護職員や、介護支援専門員(ケアマネジャー)などの処遇改善にも、事業所の裁量で充てることができる。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年度には、約34万人の介護人材が不足すると見込まれている。このため政府は、09年度以降、介護職員の処遇改善を段階的に行ってきた。
その結果、18年9月時点の常勤介護職員の平均給与は月額30万970円(賞与込み)で、初めて30万円を超えた。それでもなお、全産業平均(17年は36万6000円)を大きく下回っている。
こうした中、消費税率の引き上げによって、さらなる処遇改善が図られることは、大きな前進である。介護に従事する人たちの報酬が確実にアップするよう、国や自治体は制度の周知を丁寧に進めてほしい。
忘れてはならないのは、処遇改善の流れを一段と強めていくことだ。
介護事業者の団体からは、今回の処遇改善策を高く評価した上で、「現場の介護職員が結婚し、子どもを持つことを考えると、現在の給与水準では、まだ難しい。一家を支えられるだけの収入を得ることができる産業にしていきたい」との声が上がっている。若い人が将来に希望を持てるよう知恵を絞りたい。
報酬面だけでなく、職場環境の向上も重要だ。
例えば事業者側には、煩雑な事務作業のIT化や介護ロボットの導入を進めるなど、業務の効率化や職員の負担軽減に一層取り組む姿勢が求められよう。国による後押しも欠かせない。
約20年後には、わが国の高齢者人口がピークを迎える。高まる一方の介護需要に応えられる体制の整備を、スピード感を持って進めていく必要がある。









