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公明、実態を緊急調査
政府備蓄米放出も米価高止まり
神奈川で三浦、佐々木(さ)氏が現場の声聴く
「流通ルートを増やしコメを入手しやすい仕組みを」と訴える小売店主(右)と、三浦県代表(左)、佐々木(さ)氏=10日 神奈川・平塚市
政府はコメの流通の円滑化を目的に、集荷業者に対し備蓄米を放出しているが、コメの価格高騰が続いている。価格が下がらない実態や持続可能な農業への課題を探るため、公明党は各地で調査を実施している。10日には、党神奈川県本部の三浦信祐代表と佐々木さやか代表代行(参院議員、参院選予定候補=神奈川選挙区)が同県平塚市と小田原市を訪れ、小売店や農家の声を聴いた。地元市議も同行した。
■小売「流通ルートの拡大必要」
■農家「経費増で営農継続不安」
一行は、平塚市内の「横山米店」を訪問。応対した店主の横山俊一さんは、新潟県産のコメを主に販売しているが、昨年ごろからコメの仕入れ価格が上昇し、入荷量も不安定な状況が続いていると吐露した。その上で「政府備蓄米が入手できるなら、いくらでも販売したい」と語る一方、「市内に入る予定の備蓄米は微々たるもので、十分な量の入手は見込めない」と不安を口にした。
またコメの流通が滞っている実態について横山さんは、トラック不足に加えて、流通経路に問題があるのではないかと指摘。「流通ルートをもっと増やし、コメを入手しやすい状況をつくり、消費者に販売できる仕組みがあれば」と要望した。
また一行は、同市内で約3ヘクタールの水田を営む兼業農家の本城義久さんと意見交換した。本城さんは「コメの収入だけでは生活できない」と強調。十分な利益が得られなければ、農業全体の後継者不足が深刻さを増すと危惧した。その上で、生産性を高めるためにも農地の集約化促進などを求めた。
また一行は、小田原市で農家を営む奥津和子さんと懇談。奥津さんは、農家の高齢化に加え、近年の物価高により農機具や肥料などの高騰が生産コストを圧迫していると窮状を説明した。
調査後、三浦県代表は、県本部を挙げてコメの生産・流通を担う現場の実態調査を進めていることに触れ「一連の調査で現場の声を集約し、今後の対応を検討する」と力説。その上で「持続可能な農業へ総力を挙げるとともに、コメ価格の高騰が続く現状を打開したい」と語った。
佐々木氏は「流通を円滑化して目詰まりの解消に取り組み、コメ価格の適正化につなげたい」と強調した。
「コメの収入だけでは生活できない」との農家(左)の話に耳を傾ける三浦県代表(右)と佐々木(さ)氏=10日 神奈川・平塚市