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駅前に子ども・子育て拠点
3部署連携、切れ目なく支援
千葉・柏市
千葉県柏市はこのほど、子ども・子育て支援複合施設「TeToTe」を全面オープンさせた。市のこども、健康医療、生涯学習の3部署が横断的に連携し、妊娠・出産から高校生世代まで成長に合わせた切れ目のない支援を提供する。子育て世帯のよりどころとなっている一方で、若者の新たな居場所としても期待されている。
TeToTeは、6階建て延べ床面積約2600平方メートルを有する商業施設「旧そごう柏店アネックス館」を活用した新施設。駅前に分散していた妊娠・子育て相談窓口、乳幼児一時預かり施設を集約するほか、送迎保育ステーションの機能も備える。
■第3の居場所「中高生の広場」人気
昨年12月からは、中高生世代を対象とした「中高生の広場」を5階に開設している。グループワークに適したエリアや、約40種類のボードゲームを楽しめるエリアなど五つのコンセプトに分け、個々のニーズにあった“第3の居場所”を提供する。大学生スタッフと気軽に話すことができる態勢を整え、居心地のよい空間づくりに力を入れる。
昨年12月のオープンから連日にぎわいをみせ、4月末までに延べ1万人以上の市内外の中高生が利用する。学習エリアをよく使うという高校1年生の高芝正義さんは「とても静かで、観葉植物を見ながらリラックスして勉強できるので気に入っています」と笑顔。高校3年生の塚本圭太郎さんは「集中力が切れたら、ハンモックで寝たり、ボードゲームをしたりと、気分転換ができるのでメリハリが付けやすくていい」と充実した様子だった。
市は、「中高生の広場」の機能を考えるに当たって、市内の中高生21人と市職員が計10回にわたってグループワークを実施。市内公立中学校全21校や市立柏高校の生徒などから得た約8000件のアンケート結果を踏まえ、訪れたくなるような空間づくりに励んだ。
広場の開設以降も利用者目線に立った施設にしていくため、市職員、大学生スタッフ、利用者の代表からなる運営委員会を立ち上げ、毎月話し合いの場を設ける。
市生涯学習課の担当者は「人や物事との出合いを通し、子どもたちに新たな選択肢を提供していきたい」と意気込む。
TeToTeの整備に関しては、市議会公明党(田中晋幹事長)の小松幸子議員が2023年6月の定例会で、中高生の居場所となる機能の充実を訴えていた。