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日中友好の“絆”強く
政党間交流拡大に弾み
党訪中を終えて斉藤代表に聞く
公明党訪中団の斉藤鉄夫代表、竹谷とし子代表代行、平林晃国際局次長(衆院議員)は24日夜、全ての日程を終え、日本に帰国しました。団長の斉藤代表に今回の訪中の意義や成果について聞きました。(聞き手=政治部・塚田慎一)
――今回のタイミングで訪中した目的は。
斉藤鉄夫代表 昨年11月に石破茂首相と習近平国家主席が会談し、今年1月には6年3カ月ぶりに日中与党交流協議会が再開され、晩秋には東京での開催が予定されています。この間に公明党として訪中し、中国側と交流を深めたことで政党間交流の流れをより強固にできたと感じています。また、日中関係改善の機運を確かなものにするには、両国間にある課題を乗り越える必要があります。このタイミングに訪中し中国側の要人に対して率直に課題や懸念を伝え、意見を交わすことにしました。
政党間交流で公明党代表が毎年のように訪中を重ねて培ってきた日中友好の“絆”を確認して信頼を醸成し、次の世代に引き継ぎたいとの思いもありました。
日本産水産物の輸入規制など懸案巡り率直に意見交換
――具体的な成果は。
斉藤 中国共産党序列4位の王滬寧全国政治協商会議(政協)主席(中国共産党政治局常務委員)と会談し、習国家主席宛ての石破首相の親書を手渡しました。会談では、日本周辺での軍事活動の活発化や邦人拘束事案、日本産水産物の輸入規制など日本国民の中国に対する懸念を伝えました。
王主席は「率直な意見交換を重ねていく対応の積み重ねによって解決されていく」との認識を示し、解決に向けて日中双方が努力し合うことで一致できました。日中間にある近年の諸課題については、解決への道筋が見えてきたものもあります。大きな前進です。
また王主席との会談では、党創立者の池田大作・創価学会第3代会長が設立した創価大学が中国人留学生の受け入れを日本で初めて開始し、今年は50年の節目を迎えることも話題になりました。
「党創立者の日中友好への思いは私の政治信念になっている」と伝えると、王主席は「その精神を受け継ぐと聞いてうれしく思う」と述べたことも印象的でした。
国際社会で責任果たすよう求める
――経済交流も焦点になりました。
斉藤 公明党は、自由で開かれた多角的貿易体制を推進する立場です。経済大国となった中国に対して、国際社会のルールに基づき、それにふさわしい責任をしっかり果たしていくことが日中の経済発展のために重要であると伝えました。今回できた中国側の要人とのパイプを生かし今後も意見を伝えていきます。
アジア安保の枠組みも提案
――安全保障については。
斉藤 今年の日中与党交流協議会で公明党の西田実仁幹事長からアジア地域に多国間による安全保障の枠組みを構築する必要性を提案し、王毅外相から「生産的な提案だ」との考えが示されました。今回も、その必要性を訴えたところ、中国側からは課題があるものの、具体策を話し合いたいとの反応がありました。
日本と中国が協調し、友好関係を築いていくことがアジアと世界の平和と安定、繁栄のために極めて重要です。今後も公明党が「平和外交」の先頭に立ってまいります。