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コラム「北斗七星」
「京都では、美人画をやり始めたのは私が最初でしょう」と語った女性画家・上村松園が生まれたのは、150年前のきょう。若くして才能が開花し、展覧会のたびに賞を受けるようになると画家たちの嫉妬の的になった(『上村松園随筆集』)◆『随筆集』を読み進んでみる。仲間に絵の具などの大事な道具を隠されたり、展覧会に出した絵画をめちゃくちゃに汚されたことも。芸術的な行き詰まり、人間的な悩みもあった。そして「死んだ方が、楽に違いないと本気で思ったことが、幾度もございました」と◆昨年秋の衆院選で苦杯をなめた公明党は、その後も少数与党の一角で悪戦苦闘の毎日だ。物価高、“国難”とも言われるトランプ関税への対策は待ったなし。来る都議選、参院選もし烈な攻防戦が待ち受けている◆松園女史は制作に臨んで、「必ずよいものが出来る」との気迫を持ち続けたという。これまでも数々の苦難を乗り越えてきた公明党だ。投票日が60日後に迫った都議選も「必ず勝つ」との気迫で挑む◆女史と交流のあった作家の井上靖は「名作と謳われる松園のどの作品よりも、松園その人の方がずっと興味もあり、美しく思われる」と。苦難を勝ち越えた人間の美がそこにある。(三)