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2019年9月25日

【主張】行政のAI活用  小さな自治体の共同利用に注目

財政や人手に余裕がない小規模な自治体の業務を効率化する現実的な手段の一つとして注目したい。

総務省は2020年度予算概算要求に、税や福祉といった自治体の基幹的業務に人工知能(AI)を活用するための予算を盛り込んだ。複数の自治体でAIを共同利用することが柱だ。

背景には、自治体職員の減少がある。18年の全国の自治体職員の総計は約274万人だったが、ピーク時の1994年と比べて約55万人も減っている。

これは、自治体の財政難に伴う行政改革の一環ということを考えれば、やむを得ない面もあろう。とはいえ、職員数の減少は、とりわけ小規模自治体への影響が大きく、1人の職員が、さまざまな業務を掛け持ちしているケースも少なくない。

限られた職員数で、住民サービスをどう維持するか。この点に、AIの活用が求められる理由がある。

自治体の中には、先駆的にAIを業務に導入している所もある。

例えば、ごみの分別方法など住民からの問い合わせにAIが回答するサービスや、会議や打ち合わせの議事録を自動作成することなどに使われている。保育所の入所選考では、職員30人で50時間かかっていた作業を、AIが数秒でほぼ同等の結果を導き出したという実験結果もある。

しかし、こうした事例は、政令指定都市や中核市など比較的規模が大きい自治体の取り組みであることが多い。一般市や町村など小規模な自治体の多くは財政的に厳しく、AI導入のコストを単独で賄うのは困難と思われる。システムの維持・管理に対応できる人員の確保も容易ではないだろう。

総務省がAIの共同利用を支援するのは、こうした課題を踏まえたものと言えよう。小さな自治体でもAIの恩恵を受けられるようにすることは重要だ。

AIの共同利用を進める上で注意したいのは、サービスが均一化されてしまい、各自治体の地域性や独自性が考慮されなくなる恐れがあることだ。システムの開発や運用に当たっては、そうした点にも配慮する必要がある。

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