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2019年9月23日

【主張】法曹養成の課題 法科大学院改革の成功に万全を

政治部門(国会、内閣)が心臓と動脈であれば、司法部門は静脈―。司法制度改革審議会意見書(2001年)にある比喩だ。

積極的に政策実現をめざす政治部門に対し、司法は紛争解決という“受け身”の役回りだが、法による公正な解決ができれば、紛争当事者は安心して次の段階に進める。

しかし、その司法を担う法曹(弁護士、裁判官、検察官)養成のあり方が岐路に立たされている。今月発表された今年の司法試験の合格者数を見ると、受験者数と合格者数ともに減少が止まらない。

そこで政府は、先の通常国会で法曹への道を今の8年から6年に短縮できる法科大学院改革を実現させ、「時間と金がかかる」との法曹志望者の声に応えた。来年度からのスタートに向け政府はしっかりと準備を整えてほしい。

現在は、最短でも大学4年、法科大学院2年(法学既修者コースの場合)、3月の大学院修了後の5月に司法試験受験、9月に合格発表、11月から司法修習1年――と約8年を要する。しかも受験中は学生でも社会人でもない。

新制度では、3年で早期卒業できる法学部法曹コース、法科大学院2年、そして大学院在学中の司法試験受験を認め、合格すると大学院修了後すぐに司法修習1年という道が開かれる。

改革の成果が現れるのは数年後であり、それまで不断の努力が必要だ。特に、法科大学院をもたない大学が法曹コースを設置する場合、他校の法科大学院と連携協定を結び、カリキュラム調整をしなければならない。教員の増員や、施設拡充も想定される。政府による情報提供や財政面での支援が求められる。

今回は、法曹志望者が多い法学部出身者のための負担軽減を先行させた。しかし、他学部出身者のための法学未修者コースも当然維持され、法曹界に多様な人材を輩出する役割も果たしていく。

紛争解決には法律の知識だけでなく、問題の本質を見抜く知性や、説得に必要な人格も不可欠だ。グローバル化の中、世界は優秀な法曹養成にしのぎを削っている。

高度な法学教育ができるのは法科大学院だ。今回の改革の成功に万全を期したい。

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