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2019年9月16日

SDGs(持続可能な開発目標)と消費者の役割

国連加盟国のそれぞれが2030年の達成をめざすSDGs(持続可能な開発目標)に関し、進行状況を確認する初の首脳級会合が今月24、25日にニューヨークの国連本部で開催される。SDGsは多様な分野にわたっているが、このうち、一人一人の身近な取り組みが必要となる消費者の役割について紹介する。

生活様式の転換

もう限界に来ている大量生産・大量消費

「2050年までに世界人口が96億人に達した場合、現在の生活様式を持続させるためには、地球が3つ必要になりかねない」

これは、国連広報センターのウェブサイトに掲載されているSDGsの目標12「持続可能な消費と生産」の解説である。

20世紀後半に先進国で急激に進んだ大量生産・大量消費というライフスタイル(生活様式)が新興国を中心に世界中に広がっている。豊かさの追求は権利であり、禁じることはできない。しかし、こうした生活様式を支える地球は悲鳴を上げている。

その一方で、SDGsの目標1は「あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる」となっている。貧困の解消にはその国の経済成長が必要であり、目標8は「経済成長と雇用」を掲げた。ただし、地球に大きな負荷を掛ける経済成長ではなく、持続可能な経済成長を求めている。

そのためには、政府と企業の努力と同時に、消費者が生活様式を転換し、資源を守るために無駄を省き、物を大切にすることが重要になる。

今月5、6の両日、徳島市で開催されたG20(20カ国・地域)首脳会議のサイドイベント「消費者政策国際会合」でも、SDGsの推進が主要な論題となり、日本は「持続可能な消費」に関するプランを持って臨んだ。

エシカル消費

日本のプランは、政府の「SDGs推進本部」が6月にまとめた「拡大版SDGsアクションプラン2019」に示されている。その中で特に強調されているのが、倫理的消費(エシカル消費)の啓発と普及だった。

倫理的な行動

「人と社会と環境」に配慮して商品を選ぶ

エシカル消費とは「地域の活性化や雇用なども含む、人や社会・環境に配慮した消費行動」(消費者基本計画=15年3月閣議決定)と定義されている。要するに、(1)安全・安心(2)品質(3)価格――といった従来の商品選択の基準だけでなく、第4の基準として「人、社会、環境のためになるかどうか」を加えることだ。

例えば、「人」への配慮であれば、障がいのある人が作った商品を買って、障がい者の社会参加を応援する。

「社会」については地産地消を心掛ける。そうすれば地域の活性化や伝統文化の継承にもつながるし、輸送にかかるコストも軽減される。輸入品についても、(1)不当な児童労働による製品(2)不当に安い値段で買いたたいた原材料で作られた製品(3)山林の保全や資源の枯渇を顧みない森林伐採や乱獲による一次産品――などを選ばないことでフェアトレード(公正貿易)に貢献できる。

「環境」への配慮であれば、自然に優しい有機農業の農産物を選んだり、風力発電などクリーンエネルギーを重視することも大事だ。

政府の「『倫理的消費』調査研究会」(15年5月~17年4月)は「取りまとめ」(17年4月)の中で、「倫理的消費とは、突き詰めれば、消費者それぞれが、各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援したりしながら、消費活動を行うこと」との見解を示した。この「各自にとっての社会的課題」に、地球を守るためのSDGsの考え方を加えることが求められている。

国連によると、目標12は「より少ないものでより多く、より良く」をめざすことである。これは大量生産・大量消費に慣れた生活様式の転換につながる。

政府は学校教育などで消費者意識の向上を図り、エシカル消費の普及、啓発に取り組む方針だ。あらゆる政策をSDGs達成につなげる「SDGs主流化」の一貫として堅実に進める必要がある。

SDGsと目標12

【SDGs】正式名は「われわれの世界を変革する―持続可能な開発のための2030アジェンダ」で、スタートは16年。持続可能な「環境」「社会」の実現へ、途上国も先進国も共に17目標の達成をめざす。

「貧困撲滅が最大の地球規模の課題」と訴え、「誰一人取り残さない」と誓っている。

【目標12=持続可能な消費と生産】「より少ないもので、より大きな、より良い成果を上げる」ことをめざす。生活の質を改善する一方、資源利用を減らし、地球の劣化を緩和することで、経済活動から得られる利益を増やす。

持続可能な消費の重要性について消費者を啓発し、製品に関する基準や表示などを通じた消費者への十分な情報提供を進める必要がある。

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