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都議会公明党 都政改革の60年
現場発の実現力が強み
私立高校授業料無償化、コロナ対策など
「生の声」もとに突破口開く
隅田川のし尿不法投棄隠蔽の証拠、執念で発見
し尿運搬船の船底を調査する公明議員ら=1963年7月 東京・足立区
「公明党は、私たちが知らない現場の声を吸い上げる力が本当にすごい」。東京都の小池百合子知事は、折に触れて公明党をこう評価するという。議員自ら現場に足を運び、当事者の生の声から具体策を立案する「現場発の実現力」こそ、都議会公明党の最大の強みだ。
2017年度から東京都でスタートした私立高校授業料の実質無償化を巡っては、現場調査を踏まえ、都民から寄せられる教育費の負担軽減と公私立間の格差是正を求める声に応えるため、都に無償化を提案。しかし、当初、都側から提示されたのは対象世帯の年収上限が350万円だった。
「これではほとんどカバーできない」。現場の実情を知るからこそ、諦めずに何度も小池知事に直談判し、都の財政当局とも交渉を重ねる中、最終的には中間層を含む760万円での決着までこぎ着けた。都予算案発表を報じた17年1月26日付各紙も「実質無償化に踏み切ったのは、公明党が同事業の実施を強く要望したため」(読売)などと報じた。
その後、20年度から私立高無償化が国の制度になり、東京都は同年度、年収上限を910万円に拡充。24年度からは都立高も含めて所得制限を撤廃している。
現場発で築いてきた実績は、0~2歳児の第2子以降に加えて今年9月にも全家庭で第1子から対象となる保育料無償化や、高校3年生世代までの医療費無償化など、枚挙にいとまがない。新型コロナウイルス対策では、20年から3年間で、現場の実情を踏まえた500項目以上の緊急要望を実施。ワクチンの大規模接種会場の確保や、医療従事者・事業者への支援などを推進した。また、物価高騰などの影響を受ける都内民間病院の窮状を受け止め、都の25年度予算案に財政支援を盛り込ませた。
現場第一主義の熱い闘魂みなぎる都議会公明党。その歴史は、結党に先立つ1963年までさかのぼる。代表的な例が、隅田川の「し尿不法投棄問題」だ。
当時、都の清掃車が集めてきた大量のし尿の一部が、消毒もせず運搬船から隅田川に大量に投棄され、周辺住民が悪臭に悩まされていた。都議会公明会(当時)の議員らは現地調査を重ねた。さらには、あまりの臭気に耐えられない他党の議員をよそに運搬船に乗り込み、船底で放流口を閉ざす“真っ白に光るくぎ”を発見。追及を恐れた都側が隠蔽を図った証拠を見つけ出した。
こうした「現場第一主義」「調査なくして発言なし」という公明党の政治姿勢は、今も脈々と受け継がれている。