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2019年9月12日

コラム「北斗七星」

蚊は古来から厄介者である。「聚蚊以て雷を成すべし」。蚊の羽音が集まれば雷鳴に聞こえるように、悪い者が寄れば人の和を破るという意味だ。『中国古典名言事典』(諸橋轍次/講談社学術文庫)にある◆9月らしからぬ暑さのせいか。公園で大量の蚊に“遭遇”した。人間にとって最も手ごわい生物、蚊。かつて世界保健機関などのデータをビル・ゲイツ氏らが分析した結果、年間72万人の死因に。ゾウやカバによる死者は数百人、サメに至っては10人ほどだった◆2014年、都内の公園で蚊に刺された女性が発症したデング熱をはじめ、マラリアや日本脳炎、致死率が比較的高いウエストナイル熱も蚊が媒介して感染する。ところが、である。近年、天敵といえる蚊を撲滅する研究が進みつつあるのだ◆DNAを書き換えるゲノム編集で遺伝子を操作し変異を種全体に広める「遺伝子ドライブ」という手法である。不妊の蚊を数匹放てば、絶滅へ追い込めるらしく、英国の研究チームが実験室で成功。次はアフリカでフィールド実験に臨むと聞く◆そういえば、中国文学者の興膳宏氏は中国・北宋時代の梅堯臣の詩『聚蚊』を引き、「がりがりに痩せた身体を容赦なく刺す」(『漢語日暦』岩波新書)と付記した。貧困だった梅に心を寄せたのだろう。命と生活を守る。“和”をもって全力を傾けたい。(田)

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