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2019年9月12日

【主張】博物館の振興 蓄積した知見 未来に生かすには

博物館には、資料や情報を集積し、人類共有の遺産として次代に伝え、蓄積された知見を未来のために生かすという社会的な役割が求められる。博物館の振興にしっかり取り組む必要がある。

世界の博物館や美術館の専門家が集う「国際博物館会議(ICOM)」が日本で初めて開かれ、今後の博物館のあり方について議論された。同会議の国内開催は公明党の提案により実現したものである。

会議では、気候変動といった世界的な課題解決への貢献をめざす決議を採択した。博物館が果たすべき役割を、今日的な視点から確認した意義は大きい。

日本には約5700の博物館が存在している。入場者数の増加にみられるように、博物館に対する期待や注目は高まっている。

この点、今回の決議が博物館の持続可能な発展に向け、収蔵品の保管の安全確保を進める方針を明記したことは重要だ。会議では、諸外国の事例も紹介された。各地の取り組みに生かしてほしい。

懸念されるのは、日本の博物館を取り巻く環境が厳しさを増していることだ。民間調査機関の調べによると、公立博物館1館当たりに投入される公費は減少し、事業収入が年100万円に満たない博物館は4割に上る。

これでは、展示だけでなく資料収集や保存、研究、教育活動といった博物館の基本的機能が損なわれかねない。

文化庁は、文化審議会に「博物館部会」を設置し、運営や予算といった財政面の課題や広報のあり方を近く議論する方針だ。官民一体で議論を進め、実効性ある振興策を打ち出してもらいたい。

地域の知恵に目を向ける必要もあろう。

岩手県の「牛の博物館」では、世界中から牛に関する資料を収集し、研究結果を市民に還元して博物館に対する理解を醸成。自治体からの財政支援獲得につなげている。山口県の「萩博物館」は、資料収集や調査、館内清掃など多くの業務で地域のNPO法人の協力を得て人材不足を補っている。

政府は、こうした先進事例を広く発信・共有して各地の取り組みを後押しするべきである。

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