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【主張】医師偏在の是正 地域で支える体制へ支援を強化
医師の数は増加傾向にあるものの、大都市ばかりに集中すれば、医師不足が深刻な地域の解消にはつながらない。地域の実情に合わせて医師の偏在を緩和する対策を進め、どこに住んでいても安心して必要な医療が受けられる体制を整えていかなければならない。
政府は14日、医師偏在の是正などを柱とする医療法等改正案を閣議決定し、国会に提出した。都道府県が指定する重点地域で働く医師の手当を増額するとともに、診療所の密集地域で開業を希望する医師には救急対応や医師不足地域での代替医師といった一定の要請を行えるようにする。
厚生労働省が昨年公表した医師偏在の状況を示す指標を見ると、医師が少ない地域は都市部周辺でも目立つ。従来は、へき地が大半だったが、今後はこうした地域も含め医療機関の維持が困難になる恐れがある。
改正案では、都道府県が重点的に医師を確保すべき地域を指定できるようにする。診療所では医師の高齢化が進んでおり、厚労省の試算では2040年までに東北や中国、四国の各地方で医師が半減する可能性もあるという。へき地に限らず支援できる仕組みを作る意義は大きい。
また、救急や在宅といった手薄な医療分野や、医師不足地域への対応を要請できることは、地域に必要な医療体制をカバーする上で重要だ。応じない場合は勧告・公表、補助金の不交付も可能としており、地域での支え合いを積極的に促す狙いがある。
医師の確保と並行して、オンライン診療を普及させることも大切だ。改正案では、公民館や郵便局でも、運営者を置くなど患者の安全性を確保できれば、診療所の開設許可がなくてもオンライン診療の受診施設として認めることとする。
患者にとっては通院の負担軽減だけでなく、専門医の診断も受けやすくなる。政府や自治体は、自宅から受診施設までのアクセス支援なども検討してほしい。公明党が訴えてきた訪問診療の普及にも一層、力を入れていくべきだ。









