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2019年9月8日

コラム「座標軸」

挽いた豆にお湯を注ぐ。立ち込める芳醇な香りに浸りながら、飲む一杯のコーヒー。ほっと一息つける瞬間である。こうした、日常のささやかな幸せを、災害は一瞬にして奪う◆東日本大震災から11日で8年半。被災地ではインフラの整備や住宅の再建が着実に進んでいる。が、被災者にとって、“日常”を奪われた喪失感は想像を絶するものがあり、“心の復興”を遂げるのは並大抵でない。時間がかかる◆この8年半、東京から宮城県まで車で通い続け、被災者やボランティアに無料でコーヒーを振る舞ってきた党員の佐藤和男さん(67)も、同じ思いを抱く一人だ◆佐藤さんは、未曽有の震災を前に、居ても立ってもいられず、発災翌月の2011年4月、岩沼市の仮設住宅近くで無料カフェを開いた。喫茶店経営の経験があったことから思い立ったという。以来、仮設住宅からの退去が進んでも、集団移転先の集会所で毎月(今年から奇数月)欠かさず開店してきた◆そんな佐藤さんが、被災地の子どもを車に乗せ、海辺を走っていた時のこと。いつもは元気な子が「怖い」と一言。“心の復興”は簡単でないことを痛感した。「絆を確かめ合える居場所を、末永く提供し続けたい」と佐藤さん。今月末にはまた、無料カフェを開店させる予定だ。

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