公明党トップ / ニュース / p39821

ニュース

2019年9月7日

【主張】児童虐待 命救える機会 逃してはならぬ

幼い命を救える機会を、結果的に逃したと言わざるを得ない。

鹿児島県出水市で4歳の大塚璃愛来ちゃんが、母親の交際相手である男に頭を殴打され、その後死亡した。頭以外にも虐待を受けた痕が全身に複数あった。暴行容疑で逮捕された男は、璃愛来ちゃんに対して日常的に虐待を繰り返しており、「しつけだった」と供述しているという。

県警は母子が以前暮らしていた同県薩摩川内市で、「夜間に子どもが一人で歩いている」との通報を受け、計4回も璃愛来ちゃんを保護していた。これを受けて、児童相談所(児相)は親から一時的に引き離す一時保護への協力を県警に要請したというが、県警は要請を受けていないと説明し見解が食い違っている。

また出水市も、病院などから寄せられた虐待が疑われるとの情報を把握していながら、児相や県警と情報を共有していなかった。璃愛来ちゃんを救うチャンスは何度かあったのではないか。

昨年3月、東京都目黒区で5歳の女児が「ゆるしてください」と書き残して虐待死させられたことは記憶に新しい。あの事件の経緯を踏まえれば、今回の事件でも、「最悪の事態に発展するかもしれない」との強い危機意識を関係者全員が持つべきだった。

気掛かりなのは、児相がなぜもっと積極的に一時保護に踏み切らなかったのかという点だ。

児相の職員は事務職の公務員であり、子どもを保護する際に親からの報復を恐れて及び腰になるとの指摘もある。

このため、6月に成立した改正児童虐待防止法を受けて、児相の体制強化の一つとして警察との情報共有の徹底のほか、より強く警察に援助要請を行うことがルール化された。まずは厚生労働省が児相に対し、問題が深刻化する前に警察と連携するよう徹底すべきだ。

加えて、児相と医療機関や保育所などとの情報共有も一層強める必要がある。既に各地で始まっている未就園児を持つ家庭を対象とした自治体による訪問事業もしっかり進めてほしい。

最優先すべきは子どもの命を守ることであると、重ねて強調しておきたい。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア