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2019年9月6日

【主張】文化財の防火対策 新指針に沿い調査・点検急げ

人類共有の財産を火災から守る備えを幾重にも強固にしたい。

国宝や重要文化財に指定された建造物の防火対策指針を文化庁が発表した。今年4月にフランスの世界遺産ノートルダム大聖堂で発生した大火を受け、策定したものだ。

指針の対象となる建造物の大多数は木造である。火災による焼失を防ぐ取り組みは、わが国の歴史や伝統を次代に継承し未来を創造する礎とするために不可欠だ。地域の魅力を内外に発信し、観光客を誘致する上でも欠かせない。

文化庁の調査では、世界遺産や国宝に登録・指定された建造物の約2割で、消火設備が整備・改修から30年以上経過し、老朽化による機能低下の恐れがあるというのだから対策は急務だ。

また、美術工芸品を保管する博物館などで火災時に文化財を保護する訓練の実施や計画の策定は、いずれも2割程度にとどまる。

この点、今回の指針が、消防法で設置が義務付けられている消火器や自動火災報知機の他、耐震性貯水槽や、地震を感知して電気を自動的に遮断する感震ブレーカーなどの設置を求めたのは当然だ。

加えて今回の指針では、チェックリストを作成して調査・点検を促している。

世界遺産と国宝の調査主体となる市区町村は、所有者らと連携して丁寧かつ速やかに実地調査を進め、必要な対策を講じてほしい。その他の文化財についても、指針を活用して対策を強化すべきだ。

地域と協力して文化財を守る視点も重要である。指針は消防や地域の自主防災組織との連携や、定期的な防災訓練の必要性を強調している。

「密集市街地に立地している」「周囲に空き地が少ない」など、防災の“急所”は千差万別だ。今回の指針を機に、地域一体となった文化財保護の動きを強めたい。

公明党の主張も踏まえ、文化庁は来年度予算案の概算要求で、防火や耐震化をはじめとする文化財の防災対策について、今年度の4倍に迫る約80億円の関連予算を盛り込んだ。消火栓や放水銃など防火設備の整備に加え、不測の事態に備えた文化財の設計図や写真のデジタル保存といった対策も急ぐべきである。

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