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がん対策 AYA世代(15~39歳の患者)を支援
就労など専門家がサポート
9月は「制圧月間」
一平 9月は「がん征圧月間」だね。若い世代でも、がんを発症するケースがあるね。
京子 ええ。15~39歳の患者は「AYA(アヤ)世代」と呼ばれているの。AYAとは、思春期(Adolescent)と若年成人(Young Adult)を合わせた略語よ。
支局長 AYA世代のがん患者は、全国で年間約2万人いるといわれています。がん患者全体に占める割合は約2.5%です。多感な青春時代を過ごす中で、就職や結婚、出産といった人生の節目に際して他の世代とは異なる悩みを抱えています。
一平 AYA世代のがんについて、実態を教えてもらえますか。
支局長 国立がん研究センターが昨年、公表したデータによると、最も多いがんは15~19歳が「白血病」(24%)、20~29歳が「胚細胞腫瘍・性腺腫瘍」(16%)、30~39歳が「女性乳がん」(22%)となっています。
京子 小児に好発するがんと成人に好発するがんが、ともに発症する可能性がある世代で、肉腫などAYA世代に多い特徴的ながんも存在するわ。
一平 診療や治療など、きめ細かい支援が必要になるね。国の取り組みはどうなっていますか。
支局長 2006年6月に「がん対策基本法」が成立し、日本のがん対策が本格化しました。同法に基づき、「働く世代や小児へのがん対策の充実」が掲げられるようになりました。
京子 また、新たな課題に対応するため、改正法が16年12月に成立し、治療と就労の両立支援、緩和ケアの強化、がん教育の推進なども盛り込まれたわ。
一平 がん教育では、どんなことをするの?
京子 がんに対する正しい知識を学び、命の大切さについて理解を深めてもらうわ。がんの専門家や、がん経験者が学校に出向き、子どもたちに出前講座を行う取り組みが各地で広がっているの。
一平 大切な取り組みだね。僕たち若者も真剣に、がんに向き合っていかないといけないね。
支局長 そうですね。さらに17年度からは、AYA世代のがん患者を支援する体制づくりがスタートしました。医師や看護師のほか、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士などに研修を実施し、「多職種協働チーム」を育成。医療面だけでなく、さまざまな悩みの相談に乗り、サポートする支援体制を構築しています。
一平 AYA世代は、働き盛りの若者も多いよね。
京子 そうよ。だから国は現在、「がん患者の就労に関する総合支援事業」として、全国に約400カ所ある、がん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」に専門家を配置し、就労に関する適切な情報提供と相談支援を行っているの。
公明党、提言通じ政策推進
菅義偉官房長官(中央右)にAYA世代の支援などを要望する党青年委員会のメンバー=18年8月 首相官邸
一平 さまざまな対策が進められているんですね。公明党の取り組みを教えてくれますか。
支局長 公明党は一貫してがん対策を推進しています。党のがん対策推進本部(本部長=秋野公造参院議員)は15年8月、政府に対し、小児・AYA世代の患者の治療・相談支援の充実を提案し、がん対策加速化プランに反映させるなど国の対策をリードしてきました。
京子 近年も、党青年委員会(委員長=平木大作参院議員)が昨年8月、政府への提言の中で、「小児・AYA世代のがん患者が専門的な医療機関で切れ目なく、診療・フォローアップが受けられる体制を整備すること」などを求めたわ。
一平 若者の命を守るため、公明党が奮闘しているんだね。これからも頑張ってほしい。