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2019年9月4日

【主張】武器貿易条約 女性に対する暴力食い止めよ

戦車や戦闘機といった通常兵器と、拳銃や自動小銃をはじめとする小型武器の輸出入などを規制する武器貿易条約(ATT)。その第5回締約国会議が先月26日から30日までの日程で、スイスのジュネーブで開催された。ATTは現在、日本など104カ国が締約国となっている。

今回の会議では、女性に対する性的暴行など「ジェンダー(性差)に基づく暴力」(GBV)に焦点を当てた取り組みを進めることで合意に至った。これは、非常に画期的なことである。

特に紛争下では、GBVがまん延しやすい。それ故、国連安全保障理事会(安保理)は、紛争地などで生じるGBVから女性を保護する必要性を訴える決議を2000年に採択した。

ATTはGBVに関する条文を盛り込んだ、極めて珍しい軍備管理条約である。通常兵器や小型武器を入手した人がGBVに及ぶという事態を防ぐため、兵器を輸出する際、「女性や子どもに対する重大な暴力」に使われたりしないか考慮するよう、第7条4項で締約国に求めている。

今年6月、北東アフリカのスーダンの首都ハルツームで、武装した男性の集団が数十人もの女性に性的暴行を加えている様子が報じられ、世界中に衝撃を与えた。

スーダンは安保理決議で武器が禁輸されている。こうした国に武器が流入し、女性を脅すのに使われている要因を解明することが重要だ。

今回の会議では、ATT第7条4項の実施状況に関する締約国間の情報交換や、紛争地でのGBVの実態調査の支援などを促す報告書がまとめられた。これらの取り組みを、日本などの締約国は積極的に推進すべきだ。

紛争などで最も頻繁に使われている小型武器による死傷者は、年間約70万人。その大半は女性と子どもである。大胆な軍縮や軍備管理の措置に踏み切るには、女性と子どもを守る視点が不可欠だ。

軍縮と軍備管理は「男の分野」だと思われがちだが、今回のATTの会議には多数の女性の専門家が参加し、提言した。だからこそ、GBVの問題に焦点が当たった。国際社会は、この意義を重く受け止めるべきである。

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